ITTFが運営するメインの国際大会は、オリンピックと世界選手権です。 数年前 “ITTFの冠” を付けた「ラテンアメリカ選手権」も開発プログラムに含まれました。 卓球後進国(南北アメリカ、アフリカ、オセアニア地域)のプログラムには、プロツアーとジュニア・サーキットも世界展開され、ジュニア・サーキットでは中南米の殆どの国が運営出来る様に成り大会も定着してきました。
一方、中南米でのプロツアー開催が難しい中、今回初めてアルゼンチンで開催されました。 目的は「世界トップクラスの参加を推奨」「技術レベル向上」「賞金付大会」「世界ランキングポイント獲得」等です。 又、運営側に対し「大会運営レベルの向上」を指導します。 プロツアーを開催するには、賞金、宿泊・食事、会場施設では床のゴムシート使用、試合の世界同時配信、交通、参加数、観客動員 等 様々な条件をクリアーする必要があります。
今回のアルゼンチン開催は、卓球連盟の運営力並びに環境整備以外に選手の競技力向上の実績(ブラジルと肩を並べるレベル)が認められたことも大きな要因です。大会を盛り上げた背景には、初めて中南米の大会に中国選手団が参加したことが挙げられます。17才以下の選手8名(男女各4名)、コーチ2名、通訳1名、総務1名の総勢12名の参加です。日本からは自主参加でしたが男子は㈱シチズンチームから2名、女子はミキハウスチームから3名でした。 日本からの参加も意義深く価値ある大会になり、会長始め仲間だったナショナルコーチ達からも感謝の言葉を頂きました。
大会前日チリから到着したその足で会場に向かいました。そこで知ったのですがシチズンの後輩が海外の大会に初参戦していて、練習会場で声を掛けられたのにはびっくりしました。試合結果は全種目中国選手が優勝しました。日本勢では後輩の森田選手とミキハウスの酒井選手、それに21才以下で松本選手が3位でした。
遠い日本から中南米の大会に参加してくれることは、現地の人達にとって世界の標準とはどのようなモノなのかを肌で感じて貰える非常に良い機会でした。中南米には卓球の青年ボランティア(39才迄)も大勢活動していますが、現地の活動の中で伝えにくい日本の文化、礼儀、日本人の発想の原点を知って貰うにもいい機会でした。
日本選手達には駆け足でも良いからブエノス・アイレスの観光名所を案内したかったのですが、時間がなかったことに加え、既に次の転戦地ブラジル・サントスへの準備に心が傾いていました。これを機会に日本からの参戦を心待ちしています。
因みに、2018年第3回ユースオリンピックはアルゼンチンで開催されます。第1回2012年8月シンガポール大会、第2回2014年8月南京大会共にラテンアメリカから代表権3名のうち、アルゼンチン選手も参加しました。
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