春に卓球を始めた皆さんに向けて、卓球王国本誌・書籍・ウェブなどで紹介しているお役立ち情報を、何回かに分けて紹介していくシリーズ。その2では、卓球ボールの最大スピードと最大回転数について。スピードと回転からも、卓球の凄さがわかるのです。
卓球ボールのスピードは、最速で時速120㎞に達すると言われます。これはトップ選手のマックスのスピードであり、実際には時速100kmも出ればかなりのスピードというくらい。野球のピッチャーの剛速球が時速160km程度で、それと比べると遅く感じるかもしれません。
しかし野球の剛速球がバッターに届くまでの時間は約0.4秒。それに対し、274cmの卓球台を挟んで、お互いに台から2m近く離れた「中陣」で打ち合った場合で考えると、時速120kmの強打は約0.2秒で相手に届きます。台の近くに立つ「前陣」なら、その半分くらいの時間。こう聞くと、体感速度のものすごさが、わかるのではないでしょうか?
「超速ラリーの応酬」というイメージがある卓球ですが、実際にプレーすると、スピード以上にすごく感じるのが「回転」。ボールの回転は、最大で毎分1万回転、毎秒170回転程と言われます。これはジェット機のエンジン並です。
球技で「回転が凄い」というと、サッカーのバナナシュートのように、弾道が曲がることを想像すると思いますが、卓球における回転の影響はそれだけではありません。
卓球では、相手が打った強い回転のボールを受けた場合、回転の影響で、ラケットに当たった時に跳ね返る方向が大きく変化するのです。イラストのように、相手のパワフルな「ドライブ」(上回転、トップスピンの攻撃球)を受けた時、ボールは上に跳ね返ってしまうのです。そのため、ラケット面を伏せて当てないと返球できません。
これほど回転が強く影響する球技は他になく、卓球は「回転のスポーツ」と言われるほど。卓球の戦術では、スピードやコースだけでなく、回転が重要となります。回転によって、卓球は非常に奥深いスポーツとなっているのです。
以上は『卓球王国』2021年6月号(発売中)の「ビギナーのための卓球ゼミ 第1回」で紹介した内容に加筆したもの。5月20日発売の7月号では、第2回が掲載。打法、ルール、用具など様々なビギナー向けの内容を紹介しているので、チェックしてみてください!
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