日本卓球協会創立90周年の記念事業として、『2021卓球NIPPONドリームマッチ』が埼玉県内で開催。
開幕が迫る東京五輪の壮行試合として、五輪代表選手が出場。7月2日は、水谷隼(木下グループ)と伊藤美誠(スターツ)の混合ダブルス、予定されていた丹羽孝希(スヴェンソン)は、ワクチン接種の副反応による体調不良で欠場になり、水谷と張本智和(木下グループ)の男子ダブルスに変更され、張本のシングルスは予定通り行われた。
第1試合、水谷・伊藤に対戦相手は吉村真晴(愛知ダイハツ)・有延大夢(琉球アスティーダ)の男子ペア。東京五輪で金メダルに期待がかかるペアだが、この日のプレーはうまく噛み合わず、0-4にストレートで完敗した。
「私たちはパワーのあるペアに負けやすく、特に韓国や香港など攻撃力のあるペアには勝ちきれないので、そういうペアとやらせてもらえたのはうれしいですが、勝っていかなければいけない。2人のペアには合宿でも2対3で負けていて、練習して自分たちにできることを広げていきたいと思います」と試合後の伊藤。
水谷は「男子選手の中でも特にパワーのある2人だった。実際の試合では男子ペアと当たることはないので、悲観的に捉えることはない。全体を通してレシーブが消極的だった。勝負所で良いレシーブができるように心がけていきたい」と話した。
選手と今回の対戦ペアを話し合って決めた倉嶋洋介男子監督は、「これはちょっと勝てないじゃないかというペアを選んだ結果なので全然気にしていない。いろいろと課題が見つかった」とコメント。
水谷・伊藤 -9、-6、-8、-9 吉村・有延
第2試合は、水谷・張本と神巧也(T.T彩たま)・篠塚大登(愛工大名電高)。水谷・張本は丹羽の欠場により急遽試合が組まれたが、合宿などでペアを組んで練習をしていたこともあり、張本が得意のチキータで先手を取り、水谷は巧みなコース取りを見せるなどコンビネーションはまずまず。3-1で神・篠塚を下し、貫禄の強さを見せた。
張本は「練習はしていましたが、観客の前で試合をするのは初めて。(水谷とのダブルスは)小さいころからの夢でした。小学生時代の自分もよろこんでいるんじゃないかなと思います」と笑顔を見せた。
水谷は「話を聞いたのは2、3日前。昨日30分だけ練習しただけでした。自分は今までいろいろな選手とペアを組ませてもらってきたが、その中でもピカイチだったという印象。すごく頼りになるなど感じました」と張本を称えた。
水谷・張本 10、8、-14、8 神・篠塚
第3試合は、張本と及川瑞基(木下グループ)のシングルス。張本は1月の全日本選手権の準々決勝で及川に負けており、及川はその後も勝ち上がり初優勝を遂げている。
試合は両者が一歩も譲らず、両ハンドによるハイレベルなラリーの応酬になった。バック対バックで優位に試合を進めたい張本に対して、及川は足を使ってフォアドライブで攻撃するなど張本を揺さぶる。最終ゲームは張本のチキータの精度が増してスタートダッシュに成功。全日本のリベンジを果たした。
「正直、世界の中でも一番戦いづらい相手だと思います。やりなれているのでサービスが効かない。ラリーで粘ったり、レシーブで仕掛けて勝てたので、苦手な相手に勝てたという収穫は大きかったです」と張本。
張本 5、-5、-8、7、5、-8、4 及川
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