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コラム

【卓球レディース】嗚呼!卓球母その4/卓球母とはユニフォームと私服の境界線に悩むおしゃれジプシー

毎日卓球で子供の私服の存在を忘れた卓球母

【エッセイ=西村友紀子】

 

ホカバを目指す卓球キッズの親御さんのことを、私は卓球母(たっきゅうぼ)と呼んでいます。卓球母は一般のママとは似て非なる感覚を持つ生き物。そのぶっ飛んだ行動を卓球母のひとりである私の体験を通してご紹介します。

 

 

私は高校生スタートの卓球レディース。学生時代、小学生スタートのライバルに勝てなかった悔しさから、我が子が小学生になると卓球教室へ週3日以上も通わせることに。そんな矢先、子供が突然「学校にはいていく靴下がない」と言い出しズッコケました。

「そんなはずはない!」と思い、タンスの中をひっかき回すと、出てくる出てくる子供の靴下。どれも少し分厚目のショート丈。穴は開いてないし、なんなら未使用品もあります。〇ittaku、〇ndro、Vの字をアレンジしたロゴ入りのものまで潤沢。「なんの文句があるの?」とたずねると……。

「学校に卓球の靴下はいていっていいの?」と息子。おおっと、たしかに。学校は勉強するところ、卓球場は卓球するところ。目的の違う場所に目的の異なる物を身に着けて行っていいものか。子供ながらにTPOを意識していることに感心しました。しかし、私は「いいのよ!」と子供の期待を裏切る回答。本来ならドレスコードを教える勉強の機会ですが、そんな使い分けをしていたら洗濯が追いつきません。タイパの観点から、“はくのは一日一足、卓球靴下”とルールを定めました。試合に出ると、賞品として靴下をもらえることもあるので、その方が家計も助かりますものね。

靴下問題が一件落着したある日、今度は「友達と遊びに行くのに、はくものがない」と子供が言い出し、再びズッコケました。昨年まではいていた長ズボンをはかせるとサイズアウト。私はあわてて、ベランダに干していた卓球の短パンを渡しました。息子は「よかった~!」と嬉々とした表情で短パンをはいて出ていきましたが、その後ろ姿を見て私は猛省。

息子がほぼ毎日卓球をするようになってから、私はその私服を買っていないことに気づいたからです。子供がかわいい盛りにおしゃれさせないなんて、なんてもったいないことをしていたんだろう。時は冬のバーゲン真っただ中、私はその足でショッピングモールへ向かいました。真冬なのにぺらっぺらの短パンを着せた母親失格の自分を心の中で殴りながら。

子供服のバーゲン会場につくと、まぁ、なんと可愛い子供服が売れ残っているんでしょう。まとめ買いでさらに20%OFFだなんて、年の瀬の主婦にはありがたい限り。淡いブルーのコーデュロイパンツはお呼ばれにぴったりだし、グレーのダメージジーンズもバンドマンみたいでカッコいい。トップスは子供が大好きなミニオンのスウェットに。これならクリスマス会に呼ばれても、お正月に親戚の家へ行っても「イイネ!」をもらえる。息子も喜んでくれるに違いない。

私は両手に買い物袋を抱えて、家に帰りました。そして、遊びから帰って来た息子にドヤッと新しい洋服の数々を披露すると……。

 

息子「これ、どこにはいていくの?」

私「えっ?」

息子「僕が欲しいのは卓球の短パン!!!」

私「???」

息子「毎日卓球してるのに、卓球の短パン3枚しか持ってない。これじゃ追いつかない」

 

Socchiyattannka-i!!!( ;∀;)

 

「でも、友達の家に行くのに私服も必要よね?」と言うと子供は首を横にふります。「真冬に短パンは寒いよね?」と言っても首を横にふるのです。聞くと、友達の家に遊びに行く時はいつも卓球ウエアだとか。それはおかしい。季節感も狂ってる。TPOがズレてると、お母さんが恥をかく。やめてくれーと懇願すると。

 

息子「はくのは一日一枚、卓球パンツでええやん。その方がお金もかからんやろ」。

 

と、文句のつけようのない良回答。我が子は家庭の事情をよくわかった親孝行者です。

ならば今度は卓球の短パンを買ってやろう。もちろん、ショップのセールで(^_-)-☆

 

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