【エッセイ=西村友紀子】
ホカバを目指す卓球キッズの親御さんのことを、私は卓球母(たっきゅうぼ)と呼んでいます。卓球母は一般のママとは似て非なる感覚を持つ生き物。そのぶっ飛んだ行動を卓球母のひとりである私の体験を通してご紹介します。
私は高校生スタートの卓球レディース。学生時代、小学生スタートのライバルに勝てなかった悔しさから、我が子が小学生になると卓球教室へ週に3回以上も通わせることに。そんなある日の試合後、子どもに「打った後の戻りが遅い」と注意すると、「ヘタなおばさんに言われたくない」と言い返されてズッコケました。
具の音も出ない。。。そうです。私がヘタなおばさんです。ヘタなおばさん、だか~らヘタなおばさん。
だっふんだ~(ToT)
その言葉、真冬のピン球なみに当たると痛いわ。真摯に受け止めるけどね。しかし、誰のおかげで6年間卓球教室に通えたと思っているのか。卓球場へ片道45分の電車移動。その時間があればお母さんは韓ドラ1本観ることができた。1ヵ月云万円のレッスン・試合・用具代。そのお金があればお母さんは美容室のカットモデルを卒業し、トップスタイリストにパーマをお願いできた。いや、その時間とお金をすべて自分の卓球に費やしたなら、今ごろお母さんは大阪の卓球中年女・愛ちゃんの愛称で一目置かれる存在になっていたに違いない。
だから息子よ、口答えすんなや~(ToT)
お前だけではない。私にはもうひとり大切な子どもがいる。WEBメディア「卓球レディース」という我が身を削って育ててきた媒体。こちらにも途方もない時間とお金がかかってしまった。公開当初は1年という月日をコンテンツ作りにあて、ひとりで100本近くのコンテンツを制作。この時間を時給換算したら、あわわわ。。。学生時代の男友達に「俺の嫁さんがこんなことしてたら、『今すぐパート行って現金稼いで来い』って怒鳴るわ」とあきれられた。それも然りの扶養から外れる額だ!!! この時間とお金をすべて自分の卓球に費やしたなら、今ごろ私は大阪の卓球中年女・莎莎の愛称で一目置かれる存在になっていたに違いない。
だから、家族にエラそうにできない~(ToT)
今、私の目の前には2本の道がある。フリーランスの仕事を続けながら、大好きな卓球を頑張って大阪の孫穎莎を目指す道。もう1本は「卓球レディース」に本腰を入れ、孫穎莎が載るような媒体に成長させる道。岐路に立たされているのだ。
どちらに進むか、自分の将来像は頭の中にうっすらと形を現しはじめている。
来年の1月にすべての答えを出そう。私の中で。
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