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コラム

【卓球レディース】嗚呼!卓球母その12/卓球母とはホカバ決勝戦のベンチに入る親をまぶしく思う2階席の観客

“自慢の親”になるには卓球を頑張るしかないことに気づいた卓球母

 

【エッセイ=西村友紀子】

 

ホカバを目指す卓球キッズの親御さんのことを、私は卓球母(たっきゅうぼ)と呼んでいます。卓球母は一般のママとは似て非なる感覚を持つ生き物。そのぶっ飛んだ行動を卓球母のひとりである私の体験を通してご紹介します。

 

 

私は高校生スタートの卓球レディース。学生時代、小学生スタートのライバルに勝てなかった悔しさから、我が子が小学生になると卓球教室へ週に3回以上も通わせることに。そんなある日、全日本ホカバのホープスの部で丹波くんが優勝したと聞いてズッコケました。

丹波颯音くん(Dream卓球クラブ)と言えば、なにわの卓球キッズにとって大阪府をぐるっと囲む鉄の壁。その壁にぶつかると、何人たりとも府外に出られない。対戦表で同じ山に入るとわかると、誰もが駆け足で下山する。そんな大阪では第一シードが指定席の丹波くんですが、全日本ホカバでは意外にもカブの時のベスト16が最高成績。8以上に入るのは今回が初めてだったとか。大阪卓球界では誰もがその健闘に震えました。

ベンチコーチのお父さんに勝利の要因を伺うと、「こちらの戦術がうまくはまりました」とさらり。「言ってみてーーー( ;∀;)」。お父さんは卓球の名門・関西大学卓球部の元主将だとか。所属チームでの練習はもちろん、お父さんと二人三脚でここまで頑張ってきたんだね。本当にエライ。それに比べて、公立高校弱小卓球部出身の母を持つ我が子は、私と二人三脚のヒモすら結ぼうとしませんでした。ゆえにコートで、丹波くんのそばに寄り添うお父さんを見かけると「いいなぁ~」と親子の絆をうらやましく思っていたのです。

何が理想の親子関係かって、まずは丹波君がお父さんの言うことをよく聞くところ。お父さんがゲーム間にベンチで丹波くんに喝を入れると、丹波君にスイッチが入ってパフォーマンスがグッと上がる。うちの子どもなんて、注意しても聞かないし、応援も「離れたところでやってくれ」と言う始末。私も丹波くんのお父さんみたいにベンチで応援したいのに……と思っていたら、なんと、そのチャンスが巡ってきました。

大きな大会で、同じクラブチームの子たちが善戦。ベンチに入るコーチが足りない様子だったのです。この状況なら私もこっそりベンチに入れる。私は監督モードで子どもに「ベンチ入るよ」と声をかけました。すると子どもは「えっ、お母さんはイヤ。同じクラブの誰か呼んできて」とつれない返事。「なんで? 子どもより、大人がベンチ入ったほうがいいやろう?」と返すと、子どもは「親はイヤ」と首を横に振ります。私が「丹波くんのお父さんだって、ベンチに入ってるやん。なんでお母さんはダメなの?」と聞いても首を横にふるのです。こちらも意地になり、なんで、なんでと問いただすと、息子は苦笑いして答えました。

 

息子「ごめん。アドバイスできる人じゃないと、ちょっと……」。

 

KOTIRAKOSOGOMENNE(-_-メ)

 

世界卓球金メダルの名監督・田中拓の後輩か、元祖グラビアアイドル・杉本彩の後輩かで明暗が分かれてしまった。

 

次に生まれ変わったら、関大入ろ。

 

 

 

 

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