10月11〜15日の日程で、インド・ブバネーシュワルを舞台に開催された「ITTF-ATTU第28回アジア選手権」。団体戦のみで争われた今大会、日本チームは女子が決勝に進出し、中国との決勝戦に臨んだ。記録と内容は以下の通り。(上写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
●女子 決勝
〈日本 0-3 中国〉
橋本 12-10、3-11、6-11、3-11 王曼昱◯
張本 9-11、5-11、7-11 孫穎莎◯
早田 11-8、10-12、6-11、9-11 蒯曼◯
橋本 – 孫穎莎
張本 – 王曼昱
日本はトップに中国選手との相性が良いカットマンの橋本帆乃香を起用。対する中国は2大エースのひとり、王曼昱(ワン・マンユ)が先鋒を務めた。第1ゲームは一進一退の攻防を経てジュースとなり、橋本が王の一瞬の隙を突いた攻撃で先制に成功する。第2ゲームはコース取りをより厳しくしてきた王に対して橋本のプレーが乱れ、ゲームカウントは1-1に。第3ゲームは4-4まで五分の立ち上がりだったが、ネットインなどの不運もあり橋本が4-8と離される。その後も王は執拗なミドル攻撃などでリードを保ち、橋本は6-11でこのゲームを失った。
あとがなくなった橋本は第4ゲームの出足、カットだけでは不利と見てカウンター攻撃を仕掛けるなど抵抗を見せるも精度を欠き、0-3となったところでタイムアウト。TO明けにも3球目攻撃や変化カットを駆使するも得点につながらず、王曼昱のロビングがエッジに入る不運などもあって0-7まで離された橋本。最後まで集中力を切らさなかった王曼昱の前に3点を返すのがやっとという形で、悔しい完敗を喫した。
王曼昱から1ゲームを先取した橋本だったが、2ゲーム目以降は勝機を見出だせなかった(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
橋本のミドルを連続でしつこく突き、カットマン攻略の手本を示すかのような戦いを見せた王曼昱(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
2番は日本が張本美和、中国は絶対エースの世界女王・孫穎莎(スン・インシャ)が登場した。第1ゲームは競り合った展開から孫が抜け出し、2点のリードを守り切って先制。張本は孫のバックサイドを厳しく攻めるコース取りが冴えたが、わずかに届かなかった。第2ゲームも序盤は競ったが、徐々に余裕の出てきた孫が緩急を自在に使い分けて張本を攻略。ゲームカウントは0-2となった。
第3ゲーム、なんとか反撃の糸口をつかみたい張本だが、小さなリードを作ってもすぐに孫がその差を詰め、なかなか試合の主導権を奪えない。5-6となったところでタイムアウトを取り、7-7まではついて行ったが、孫の厳しい攻守を最後まで崩せず、ストレートでの敗戦となった。
孫穎莎の厳しい攻めに終始苦しんだ張本。打倒中国に向けて、課題を残した大会となった(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
静と動の使い分けが見事だった孫穎莎。静かなテイクバックから急激にスイングスピードを上げるテクニックは超一流だ(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
3番は、日本・早田ひなと中国・蒯曼(クァイ・マン)の左腕対決となった。第1ゲーム、早田は序盤から積極的に先手攻撃を仕掛けてリードを作り、最後まで攻めきって11-8と先制する。2ゲーム目も早田は体がよく動いて9-6までリードするが、その後ミスが続いてジュースに持ち込まれ、最後は蒯が冷静にコースを突いて10-12。早田は逆転でこのゲームを落とした。
これで自信を取り戻した蒯は第3ゲームの出足でスタートダッシュをかけ、早田は1-5まで離される。中盤からはバックサービスなどの奇策も駆使した早田だったが、決定的に蒯を崩すまでには至らず、6-11でこのゲームを失った。第4ゲームも早田が7-4までリードしたが、堅実なプレーを続ける蒯に差を詰められ、9-7からは痛恨のサービスミスもあり、9-11のスコアで敗戦。チームとしてもマッチカウント0-3で敗れ、準優勝となった。
格上の中国に対し、先手攻撃と積極的なフットワークで対抗した早田だが、一歩及ばなかった(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
比較的ゆったりとしたプレーながら、コース取りの巧さで早田の勢いを封じた21歳の蒯曼(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
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