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世界ユース選手権2025団体戦、日本はU15女子・U19男子の2種目で金メダル獲得!

 

ルーマニア・クルジュ=ナポカで開催中の「ITTF 世界ユース選手権 2025」は、去る25日に団体戦の全日程を終えた。日本チームはU15女子とU19男子が優勝を飾り、U19女子は紙一重の差で準優勝となった。各種目、決勝のスコアと戦評は以下の通り。(PHOTO:WTT)

 

〈U15女子団体戦〉
●決勝
日本 3-1 韓国
◯村松 11-9、11-5、10-12、12-10 許玴玪
◯石田 11-7、11-6、5-11、11-6 李慧潾
 髙橋 11-13、7-11、7-11 金珉舒◯
◯石田 11-8、9-11、11-8、7-11、11-8 許玴玪

決勝の韓国戦トップで競り勝ち、日本チームに先制点をもたらした村松。中学1年生とは思えない堂々とした戦いぶりが素晴らしかった

優勝を決めたU15日本女子はコートサイドで記念撮影。ただ強いだけでなく、チームワークの良さと笑顔が魅力的な好チームだった

U15女子は、日本が韓国を破って優勝。準決勝からオーダーを組み変えた日本は、トップの村松が韓国エースの許玴玪に競り勝ち、2番の石田も李慧潾に快勝。3番の髙橋は金珉舒に押し切られたものの、4番で再び登場した石田が許玴玪を下し、マッチスコア3-1で勝利。U15日本女子チームとして、2大会ぶり3度目の優勝を飾った。この試合では控えだった瓜生を含め、誰がどこにオーダーされても力を発揮できる層の厚さが際立った。

 

〈U19男子団体戦〉
●決勝
日本 3-0 インド
◯川上 15-17、11-6、10-12、11-4、13-11 バッタチャルジ
◯吉山 11-7、11-8、11-6 プラディヴァディ
◯渡部 11-9、11-7、11-3 バッタチャリヤ

U19男子日本チーム、表彰式でセルフィーを撮る。川上、吉山の2本柱に渡部、中野を加えた強力な布陣で盤石の優勝を果たした

決勝のインド戦3番で勝利を収め、日本チームの優勝を決めた渡部。充実した内容の戦いぶりだった

決勝トップで日本の川上を大いに苦しめたインドのエース・バッタチャルジ。独特の間合いと勝負強さを持った選手だ

U19男子は、くせ者ぞろいのインドを日本がねじ伏せて優勝を飾った。トップの川上はインドのエース・バッタチャルジの気迫と粘りに苦しみ、ギリギリの勝負となりながら何とか勝利。この山場を乗り切った日本は、2番の吉山と3番の渡部がいずれもストレートで快勝し、U19とU15にカテゴリー分けされた2021年以降では、この種目初めての優勝となった。

 

〈U19女子団体戦〉
●決勝
日本 2-3 中国
◯青木 6-11、11-6、7-11,11-7、11-9 縦歌曼
 小塩 9-11、4-11、5-11 覃予萱◯
 髙森 11-7,11-9、11-6 姚睿軒◯
◯青木 11-9、12-14、11-4、11-5 覃予萱
 小塩 14-12、11-9、11-13、10-12、8-11 縦歌曼◯

決勝の中国戦トップと4番で、縦歌曼、覃予萱を連破した青木。U19日本女子チームのエースとして申し分ない働きを見せた

決勝の中国戦ラスト、勝利まであと一歩まで迫った小塩。バックハンドでラリーを組み立て、フォアのスマッシュに持ち込む展開で大健闘を見せた

日本戦ラストで小塩にゲームカウント0-2まで追い詰められながら、強心臓を見せて逆転勝ちした縦歌曼。自分が負ければ中国チームの今大会団体戦無冠が決まるという、絶体絶命のピンチをしのいだ

U19女子は、日本が中国と超・大熱闘。エースの青木がシニアの国際大会でも売り出し中の縦歌曼・覃予萱から2点取りする大活躍を見せ、2-2で迎えたラストの小塩もゲームカウント2-0とリード。優勝が目前に見えていたが、そこから縦歌曼が驚異的な粘りでばん回。3・4ゲーム目をいずれもジュースで取り返すと、最終ゲームは8本で勝ち切った。小塩としては6-1とリードした4ゲーム目を取り切れなかったのが痛かったが、全体としてのゲーム内容は五角以上。胸を張って良い、堂々の準優勝だった。

 

〈U15男子団体戦〉
●決勝
チャイニーズタイペイ 3-2 イタリア
 陳凱程 5-11、5-11、8-11 トレヴィサン◯
◯鄭旻修 11-8、6-11、11-6、9-11、12-10 ファーゾ
◯余奕慶 11-7、11-4、9-11、11-8 カンパーニャ
 陳凱程 5-11、4-11、6-11 ファーゾ◯
◯鄭旻修 11-7、10-12、11-5、11-3 トレヴィサン

イタリアに先制点を奪われたチャイニーズタイペイだが、鄭旻修の2本取りで逆転勝ち。中陣での安定感のあるラリーで相手の焦りを誘う戦法がイタリアに効いた

決勝では惜敗だったが、今大会の台風の目となったU15男子イタリアチーム。エースのファーゾ(左から2人目)を中心に気迫で相手をなぎ倒していく様は痛快だった

U15男子は、準々決勝と準決勝で日本・中国を連破して勢いに乗っていたイタリアを、チャイニーズタイペイが止めた。チャイニーズタイペイは、2番と5番に出場した鄭旻修が、終始落ち着いたプレーを見せて2勝の殊勲。特に、今大会ここまで全勝だったイタリアのエース・ファーゾに2番で競り勝ったのが大きかった。決勝で破れはしたが、今大会の序盤戦を大いに盛り上げたイタリアチームにも拍手を送りたい。

大会は11月30日まで。25日からは混合ダブルスを皮切りに個人戦がスタートしており、順次ユース世代の世界チャンピオンが決まっていく。

 

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