卓球王国 2024年10月21日 発売
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インタビュー

【あなたの町の卓球ショップ vol.4】「八潮を日本一の卓球の町に」埼玉県八潮市・卓球家840

色物でも遊びでもない、本気で作った

卓球家840オリジナル『ハンドソウ』

ーーー卓球家840さんでは、かなり珍しいハンドソウを取り扱っています。

正海:ものすごくマニアなお客様がいて、何度も何度も作って欲しいとお願いされました。正直、最初は乗り気じゃなかったけど熱意に押されて100本作りました。売れるか心配だったんですけど、なんとかプロモーションを頑張ったらだんだんと売れるようになって、今では主力商品になっています。

 

ーーーハンドソウの利点とは?

正海:一番はリーチの長さ。リーチが長く使えるので威力が出ますね。普段シェークハンドのラケットを使っている選手がハンドソウを使うと、威力の違いに驚くと思います。また、ラケットヘッドに角度がついているので、腕を伸ばした時に腕の延長線上にラケットがくるようになっていて、手首に負担がかかりにくいのも利点ですね。変わった形に見えて、しっかりと利にかなった設計になっています。

 

ーーーそのような利点があるのになぜハンドソウは広まらないのだと思いますか?

正海:ハンドソウは重心がラケットヘッド側にあるので切り返しに向かない。テンポの早いラリー戦が主流になっている現代卓球で、切り返しがやりにくいのは大きなデメリットになってしまいます。それが広まらない理由ですかね。ただ、うちで作っているハンドソウは重心の位置を従来のものよりもグリップに近くして、切り返しをやりやすくしました。また、従来のハンドソウはラケットヘッドが下がっているのでフォア前の台上処理がやりにくかった。そこを改善するためにラケットヘッドを9度上に上げました。さらに、ラケットを少し小さくすることで重量を軽くしました。840で作っているハンドソウは色物でも遊びでもない。本気で試合で使えるものを作るために、制作に1年以上かけました。

 

ーーー売上はどのくらいでしょうか?

正海:最初に作った100本は3日で売り切れました。今は販売本数500本を突破して、新たな在庫が入ってきたところです。卓球は用具の多様性も大きな魅力なので、その魅力の一部になれば良いなと思います。

こだわって作ったハンドソウ。現在は2種類が発売されており、右がカーボンタイプ、左が7枚合板タイプとなっている

卓球家840では最強のハンドソウ使いを決める「ハンドソウNo.1決定戦 川又杯」も開催

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