卓球王国 2021年1月21日 発売 vol.286
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全日本選手権2021

いざ大阪冬の陣。静かだが熱い全日本の戦いを占う-男子編

1月11日、大阪・丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開幕する2021年全日本選手権(一般・ジュニア)。新型コロナウイルス感染症の「第3波」が猛威を振るう中、異例の無観客での開催となるが、出場選手の全日本に懸ける思いは変わらない。男子シングルスの見どころからチェックしていこう(女子編はこちら)。下はスーパーシードの32名のドロー(組み合わせ)だ。

昨年、高校3年生の宇田幸矢(現・明治大)が決勝で張本智和(木下グループ)を破り、衝撃の初優勝を飾った男子シングルス。過去10回優勝の水谷隼が出場しない今大会、優勝戦線を形成するのは宇田・張本に前回3位の戸上隼輔(明治大)を加えた「パリ世代」。2024年パリ五輪を見据える若手の旗手だ。かつては男子の強打者たちは、フォアクロスの打ち合いでその実力を競ったが、彼らは強力なチキータからの両ハンド速攻でバッククロスを制圧し、上の年代の選手たちをねじ伏せていく。

Aブロックは第1シードの宇田のブロック。宇田は明治大入学後、腰を傷めて思うように練習できない時期が続いたが、フィジカルの強化に重点を置いてじっくり体を作ってきた。Tリーグでは今季、琉球アスティーダでプレーし、水谷や侯英超をノックアウトしたチキータとパワードライブは特筆もの。今回も有力な優勝候補だ。対抗馬となるのは吉村和弘か。直線的な弾道の両ハンドドライブは強烈で、エンジンがかかればどの選手にも勝てる爆発力を秘めている。また、森薗政崇の下にTリーグのT.T彩たまでプレーする左腕・篠塚大登(愛工大名電高)がおり、こちらも注目だ。

衝撃の初優勝から1年、宇田幸矢は2連覇に挑む

Bブロックは東京五輪代表の丹羽と、前回3位の戸上のブロック。戸上はTリーグで張本に2連勝し、対張本に自信を深めている様子がうかがえる。両ハンドのカミソリドライブのスピードは大会屈指。一方、Tリーグの岡山リベッツで充実のプレーを見せる丹羽は、どこまで大会へのモチベーションが高まっているか。前回は準々決勝で戸上に敗れたが、五輪の大舞台を前にギアを上げてくれば互角の勝負になる。その他の選手では、高校卓球界のトップを走る曽根翔にも注目。インターハイ中止の悔しさを全日本にぶつけてほしい。

前回ベスト8の丹羽。戸上と再び準々決勝で当たる組み合わせだ

戸上のカミソリドライブが炸裂すれば、一気に頂点も狙えるだろう

Cブロックは吉田雅己、神巧也、大島祐哉などフォアハンドの強打自慢が揃う。ノーシード勢も吉田の下に松平健太(ファースト)、龍崎の下に木造勇人(愛知工業大)というシングルスの表彰台を経験した実力者がおり、誰が勝ち上がるか読みにくいブロック。調子の波に乗ると手がつけられない田添響や有延大夢も虎視眈々と上位を狙う。

前回3位の吉田雅己。Tリーグでも岡山の主力として活躍

そしてDブロック、2年連続で表彰台に立ちながら頂点を逃している張本が、2回目の優勝を狙う。11月の男子ワールドカップで3位に入った後、帰国後のTリーグでは腰を傷め、ベンチを温める試合も多かった。ストレートへの強打も切れ味を増したバックハンドの技術力はワールドクラスだが、体調や試合勘の不安を気力で乗り切りたい。Dブロックでは、Tリーグで快調なプレーを見せる吉村真晴や及川瑞基も上位候補だが、村松雄斗の下に入った中学1年の松島輝空(JOCエリートアカデミー)の勝ち上がりにも注目したい。

水谷隼が出場しない全日本で、やはり優勝候補筆頭は張本。そのプレッシャーとの戦いとなる

 

女子編はこちら