日本チームが最初の会場練習を行った昨日(7月19日)、それに先だって会場に姿を現したのが中国チームだ。
驚かされたのが、男子チームの行動だ。馬龍と樊振東がしばらくふたりで打ち合った後、隣のコートで練習していたポルトガルのフレイタスとアポロニアに声をかけ、樊振東がフレイタス、馬龍がアポロニアとボールを打ち始めたのだ。基礎練習だけではなく、サービス・レシーブ練習も入念に行い、樊振東とフレイタスはゲーム練習までやっていた。
ポルトガル男子チームの監督は、江加良(85・87年世界チャンピオン)らと同世代だった中国人コーチの孔国平。中国チームとしても練習を頼みやすく、フレイタスやアポロニアにとっても世界ランキング1・3位のふたりとの練習は願ってもない話だったわけだが、中国チームのすばやい行動と「合理性」には驚いた。2021年は一度も国際大会に出場せず、ひたすら集合訓練で強化を続けてきた中国。大会の開幕前に、少しでもヨーロッパ選手の球質に慣れておきたかったのだ。
4台しか設置されていない東京体育館のメインコート。中国チームが練習できるのは、7月19日〜23日午前中までの会場練習で、19日と21日夕方の2回(1時間50分ずつ)しかない。その貴重な練習時間を割いてでも、ヨーロッパ選手との練習を選択した中国。コートサイドでは、96年五輪金メダリストである中国卓球協会の劉国梁会長が、選手たちに鋭い視線を送る。女子チームの練習するコートには、08年北京五輪金メダリストの馬琳の姿もある。……やはり中国、強し。
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