●男子準々決勝
【日本 3-1 スウェーデン】
○丹羽/張本 8、11、-8、9 K.カールソン/シェルベリ
水谷 -3、-9、10、-8 ファルク○
○張本 -10、9、9、10 シェルベリ
○丹羽 10、5、6 ファルク
メダルへ向けた第一関門のスウェーデン戦、日本はダブルスを丹羽孝希/水谷隼から丹羽/張本智和にスイッチ。昨日のオーストラリア戦のプレーを見ても、水谷のプレーは冴えており、百戦錬磨の試合経験を買ってのシングルス2点起用か。五輪前の合宿ではペアリングも変えながら練習をしていると語っていたが、2戦目で早速ペアを変えてきた。
過去にワールドツアーにも出場している丹羽/張本ペア。ラリーでの安定感はスウェーデンペアのほうが上だけに、早いテンポで仕掛けていって、1ゲーム目を競り勝つ。2ゲーム目はゲームポイントを握りながら追いつかれ、12-11と2度目のゲームポイントを握った場面で日本ペアがタイムアウト。次の1本で張本がそれまで使っていなかったYGサービスでエースを奪い、日本が2-0とゲームを連取した。3ゲーム目こそあまいボールを見逃さずに攻め込んだスウェーデンペアに奪われたが、4ゲーム目はシェルベリの2本のサービスミスもあり、日本ペアが逃げ切って勝利をあげた。
張本のミスが目立つ場面もあったが、そこはダブルスでの経験豊富な丹羽がしっかり声をかけてフォロー。ベンチでは水谷がアドバイスを送る場面もあり、ダブルスマスターが直にベンチで試合を見て戦況を分析できるのも、このペアを起用することの強みだろう。
ペア変更のダブルスで勝利をあげた日本、水谷で一気に流れを持ってきたいところだが、ファルクが立ちはだかる。ファルクはフォアスマッシュにミスがなく、序盤から水谷を攻め込む。ファルクが1ゲーム目を1-2から7本連取で奪うと、2ゲーム目も水谷に追い上げられながら攻め抜いたファルクが奪取。水谷は攻撃が安定せず、ファルクの球質やタイミングに合わないのか、らしくないミスを連発する。3ゲーム目こそファルクの攻めをしのいで食らいつき、マッチポイントをかわして水谷がゲームを奪ったが、最後まで確実な得点パターンを見出せず反撃もここまで。男子シングルスでは初戦敗退、団体1回戦でも失点を喫したファルクの意地の勝利でスウェーデンが1-1に追いついた。
勝負の行方を大きく左右する3番、張本と対戦するのは成長著しいシェルベリ。1ゲーム目の序盤からシェルベリの攻撃がビシバシ決まって連続得点も、張本が追い上げる。張本に9-8まで迫られた場面でスウェーデンベンチがタイムアウトを取ると、このゲームをジュースでシェルベリが奪取。2ゲーム目もシェルベリが勢いを持ったまま試合を進め、6-7の場面で日本ベンチがタイムアウト。最後はサービスエースで張本がゲームカウントを1-1に戻した。3、4ゲーム目は張本が序盤でリードしながらシェルベリがジワジワと点差を詰めていく展開になったが、両ゲームとも張本が奪って勝利。ミスが出ても積極性を失わなかったシェルベリに苦しめられたが、最後は冷静にミドルへ3球目を撃ち込んで試合を決めた。
準決勝進出にあと1勝に迫った日本、4番はまさに「丹羽劇場」とでも言える試合だった。水谷を打ち抜いたファルクに対し、1ゲーム目は序盤でリードを許すも丹羽は淡々としたプレーで逆転。ファルクのフォアにボールを集めてミスを誘い、ブロックで揺さぶってファルクのフォアを打ち抜いていく。1ゲーム目をジュースで奪うと、2ゲーム目、3ゲーム目と試合が進むにつれてファルクを圧倒しストレートで勝利。以前「調子が良い時は回り込みの読みも冴える」と話していた丹羽だが、ファルク戦は回り込んでのカウンターが面白いように決まり、相手に反撃の隙を与えなかった。
試合を決めた丹羽は「1番のダブルスで競り勝てて良かった。4番では絶対勝つ気持ちでプレーした」とコメント。水谷も「ぼくが負けても勝てるのが今の日本の実力だと思う」と頼もしき後輩2人を讃えた。これで2大会連続の準決勝進出を決めた日本、準決勝の相手はドイツvs.チャイニーズタイペイの勝者だ。
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