9月17日、中国では「革命の聖地」と言われる陝西(せんせい)省延安市の延安大学体育館で、第14回全中国運動会・卓球競技が開幕した。
卓球王国では2001年の第9回大会から、この全中国運動会を現地で取材。編集部タローも3大会連続で中国に取材に行っていたのだが、今年はコロナ禍で中国への入国時には21日間もの隔離期間が必要。「世界一ハイレベルで面白い国内大会」である全中国運動会を取材できないのは、涙が枯れるほど残念だが、今回は中国の卓球雑誌『ピンパン世界』に写真を提供してもらった。まず昨日終了した男女団体のうち、男子団体の上位の記録は下記のとおり。
[男子団体]
●準々決勝
広東省 3–0 黒龍江省
河北省 3–1 湖北省
陝西省 3–2 上海市
北京市 3–0 遼寧省
●準決勝
〈広東省 3–2 河北省〉
○樊振東 –9、9、9、4 梁儼苧
林高遠 –5、–6、–8 梁靖崑○
周啓豪 5、–8、4、–11、–6 周愷○
○樊振東 4、8、5 梁靖崑
○林高遠 11、10、–10、–6、6 梁儼苧
〈北京市 3–1 陝西省〉
○馬龍 6、7、5 賽林威
王楚欽 –10、6、–11、9、–7 侯英超○
○閻安 6、8、3 劉寒風
○馬龍 7、8、8 侯英超
●決勝
〈広東省 3–1 北京市〉
○樊振東 4、4、7 王楚欽
周啓豪 –8、–4、–3 馬龍○
○林高遠 4、–8、9、10 閻安
○樊振東 7、–8、–7、10、11 馬龍
男子団体は、前回52年ぶりの優勝を果たした上海市チームが、準々決勝で地元・陝西省に敗れる波乱。陝西省にはTリーグの木下マイスター東京でも活躍した侯英超が在籍し、上海市戦では尚坤と趙子豪を連破して勝利に大きく貢献した。
決勝の対戦カードは広東省対北京市。広東省には解放軍チームの強化停止により、広州市出身の樊振東が今大会から加入。その樊振東が決勝トップで、ミスを連発した王楚欽に完勝して試合の流れを引き寄せた。さらにツインエースのひとりである林高遠を3番に起用し、林高遠が閻安との接戦を制して大きな大きな1勝。
そして、勝負を決めたのは4番樊振東。東京五輪男子シングルス決勝の再戦となった馬龍戦で、4ゲーム目に9–10、さらに5ゲーム目に6–10、7–10、8–10、9–10、10–11と実に6回のマッチポイントを握られながらしのぎきり、広東ベンチの興奮も最高潮。ここでバック対バックのラリーを制して12–11と最初のマッチポイントを握った樊振東、最後は馬龍のフォアサイドを切るコースへ、必殺のチキータでレシーブエース!
広東省チームに24年ぶりの男子団体のタイトルをもたらした樊振東。「リードされた状況でも、勝利への信念を保ち続けることが最も重要だった。ぼくはずっと馬龍に勝ちたかった」と試合後にコメントした。
※写真提供:『ピンパン世界』
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