10月10〜12日、山東省威海市で行われていた中国卓球クラブ超級リーグの2021年シーズンは、男女のプレーオフが行われた。女子は戦前の予想どおり、陳夢・王曼昱・陳幸同を揃えた山東魯能と、孫穎莎・何卓佳を擁する深圳大学が決勝で対戦。トップのダブルスで競り勝った山東魯能が3−1で勝利し、2シーズンぶりの優勝を飾った。女子プレーオフの結果は下記のとおり。
●準決勝
〈山東魯能(GL1位) 3−0 上海龍騰(GL3位)〉 ※GL=グループリーグ
○陳夢/陳幸同 6、10、7 劉斐/楊屹韻
○王曼昱 5、8、3 陳イ(火+習)
○陳幸同 8、7、2 楊屹韻
〈深圳大学(GL2位) 3−0 大土河・華東理工(GL4位)〉
○顧玉ティン/何卓佳 10、5、3 車暁㬢/李雅可
○孫穎莎 3、8、9 王芸迪
○何卓佳 6、3、3 李雅可
●決勝
〈山東魯能 3−1 深圳大学〉
○陳夢/陳幸同 4、−9、−8、6、8 顧玉ティン/孫穎莎
○王曼昱 4、6、8 何卓佳
陳幸同 −9、−9、−11 孫穎莎○
○陳夢 12、5、−6、2 何卓佳
山東魯能は2005年シーズンの初優勝から、通算7回目の優勝。女子の最多優勝記録を更新した。
決勝で深圳大学は、ダブルスを顧玉ティン/何卓佳から顧玉ティン/孫穎莎に組み換え、何卓佳をシングルス2点起用。スーパーエースの孫穎莎を1番ダブルスと3番に起用する「先手必勝」のオーダーでプレッシャーをかけてきた。その目論見(もくろみ)どおり、顧玉ティン/孫穎莎はゲームカウント2−1とリードを奪い、4ゲーム目も6−2とリード。しかし、ここから陳夢/陳幸同のプレーにまったくミスが出ず、驚異の9点連取で逆転。5ゲーム目も11−8で奪って貴重な先制点を挙げた。
「(4ゲーム目の2−6からの逆転は)正直、自分でもどうやって逆転したのかわからない。それは私たちの信念だと思います。勝利への信念と試合への集中力ですね」(陳夢)。
「相手のオーダーには少し驚きました。私は3番のシングルスでは最近孫穎莎に分が悪いから、ダブルスではプレッシャーがかかったし、どうしても勝ちたかった」(陳幸同)
このダブルスでの勝利で、山東魯能の優勝は9割9分決まったと言えるだろう。3番で陳幸同が孫穎莎に敗れたものの、王曼昱と陳夢が1点ずつを挙げて快勝した。ラストに回ったとしても、控えているのは王曼昱だ。
「相手は強気なオーダーを組んできたが、単複の起用になった孫穎莎の優位性が弱められたのも確かだ。確実に我々のほうが有利だと感じたし、選手とチームを信じていた。みんなプレッシャーに耐えてよく戦ってくれたし、良いプレーをしてチャンピオンシップを勝ち取ることができた」(于国鵬監督/出典:すべて『ピンパン世界』)
女子でMVP(シングルスの最多ポイント獲得者)となったのは孫穎莎。これで5月の『直通WTT大満貫・世界戦』を制した陳夢、全中国運動会優勝の王曼昱に続き、3人目の世界選手権代表となった。残るシングルスの出場枠はふたつ。その座に近いのは超級リーグで孫穎莎に次ぐポイントを獲得した王芸迪と、全中国運動会と超級リーグでチームの優勝の立役者になった陳幸同あたりか。あとは前回女王・劉詩ウェンが、再び世界の舞台に立つのかどうか……。
※写真提供:『ピンパン世界』
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