卓球王国 2024年11月21日 発売
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おかえり、世界卓球。4年越しで釜山に訪れた、熱狂の10日間

ようやく卓球界に一本、ビシッと芯が通ったような気がする。2月16〜25日に行われた世界卓球・釜山大会(団体戦)。前回の成都大会はシンガポールからITTF(国際卓球連盟)のチャーター機で成都に入り、真っ白な防護服姿の乗員が通路に消毒薬を噴霧する姿にゾッとしたが、釜山大会では選手、ベンチ、観客が一体となり、「これぞ世界卓球」という醍醐味を存分に味わわせてもらった。

釜山での世界卓球団体戦は、もともと2020年3月に開催予定だった。新型コロナウイルス感染症の流行により、開幕直前の1カ月前に延期が決定。さらに延期を繰り返して中止の憂き目にあい、2024年大会に再度立候補して4年越しの開催にこぎつけた。

日本女子が中国と激突した女子決勝、ラスト張本美和が陳夢から1ゲームを先取した時は、「ついに歴史が変わるのか」という興奮と、「本当に中国に勝ってしまうのか」という困惑で、息が止まりそうだった。試合後に行われた深夜1時の記者会見。時間の感覚がなくなり、午前2時に会場を出た時も全く眠気を感じなかった。

日本男子は開幕当日の戸上隼輔の戦線離脱に、一瞬目の前が真っ暗になったが、世界卓球初出場の篠塚大登と松島輝空の活躍は「これぞ日本の底力」という感じがした。準々決勝の中国戦、バックハンドのカウンターを連発し、樊振東のフォアサイドを何本もぶち抜いた松島輝空のプレーは衝撃的だった。

日本対中国の女子決勝、ラストは痺れました

日本男子は戸上隼輔の欠場というアクシデントを見事に乗り越えた

そして釜山大会が面白かったのは、グループリーグで中国を追い詰めた「変化系軍団」インド女子、ルブラン兄弟が怖いもの知らずの快進撃を見せたフランス男子、「アジアの虎」の威信を懸けて中国と互角の熱戦を展開した韓国男子など、魅力的なチームがたくさんあったからだ。

釜山大会の特集号である卓球王国5月号は、今日3月21日に発売。大会が面白かったからこそ、取材班の筆も「乗っている」。ミックスゾーンでの選手の肉声から舞台裏まで、余すところなくお楽しみください。(柳澤)

中国女子は、激闘となった日本との決勝をどう振り返ったか

大会を大いに盛り上げたフランス男子。会場をトリコロールの風が吹き抜けた

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