月刊「卓球王国」のインタビューで「自分を一度、全部壊そうと思った」。そう語る長﨑美柚(木下アビエル神奈川)は、固定観念や過去の成功体験を手放し、世界のトップと戦うための新たな卓球を築き上げてきた。
6~7月のWTTで結果を残し、8月5日付の世界ランキングでは20位から14位へと急上昇。長﨑は「自分が目指すプレーと実戦が噛み合ってきた感覚があった」と手応えを明かす。これまで敬遠してきた戦い方にも挑戦し、成功体験を積み重ねることでプレーの幅が広がったという。
7月のスターコンテンダー・フォズ・ド・イグアスでは決勝に進出。張本美和とのフルゲームの激戦を「対策し合う展開がすごく面白かった」と振り返り、「勝ちたい、負けたくないという重圧より、卓球の楽しさを感じられた」と自身の変化を語った。
8月のヨーロッパスマッシュでは、世界女王・王曼昱を相手に2ゲームを先取。敗れはしたものの、「やり切る勇気と決断力の差」を肌で感じると同時に、「対策できれば勝てるという希望が見えた大会だった」と前向きに捉えた。
12月のWTTファイナルズ香港では、初のシングルス出場で伊藤美誠を撃破。準々決勝では世界ランキング1位の孫穎莎と対戦し、「技術だけでなく、勝負に対する姿勢そのものが世界トップ」と大きな学びを得たという。
今季はTリーグでも単複で安定した成績を残し、「考えて卓球をする段階にきている」と実感。2026年の目標には世界ランキング10位以内を掲げ、「オリンピックレースに本格的に参戦するためにも重要な一年になる」と意気込みを語った。
「皆さんの応援が本当に大きな力になっています」。すべてを自ら選び、その結果を背負う覚悟が、長﨑美柚を世界の頂点へと近づけている。
(卓球王国3月号/卓球王国PLUSより一部を抜粋)
ながさき・みゆう 2002年6月15日生まれ、神奈川県出身。5歳から卓球を始め、全日本選手権バンビ、カブ、ホープスで優勝。2019年には世界ジュニア選手権で女子シングルス、女子ダブルスの2冠を達成。同年、プロツアー・グランドファイナル女子ダブルスで優勝し、世界一に輝く。世界選手権では18年と22年に団体銀メダル、23年に女子ダブルス銅メダル。25年WTTスターコンテンダー リュブリャナでシングルス優勝。世界ランキング14位(1月20日現在)。木下アビエル神奈川所属
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