今年2月ホンジュラス主催の中米選手権での出来事。大会初日の会場では9時前から準備運動に熱が入っていた最中、突然会場の電気が消えました。のんびりしたもので「そのうち点くだろう」と薄暗い中でボールを打ち続ける選手達。 ラテン・アメリカで生活すると日本では考えられない事に出くわす時(日本の習慣や基準で考えてしまう結果)イライラしていた5年前に比べ、最近では大抵の事に慌てなくなり「現地の対応に任す他ない」「ジタバタしてもどうしょうもない」とそれなりの覚悟で対応する大切さが身に沁みてきたので運営側の対応に任せる事にしていました。
現役時代教わった「世界選手権でさえ何が起きるか分からない。いつも“平常心”に心掛ける様に!」の言葉は肝に銘じているし、特に選手達には動揺した態度は見せられません。
不幸中の幸いと言うか電気が点くまでと、隣に座っていた僕より年配のエル・サルバドル台湾コーチと話し込みました。「台湾が強かった昔の話」や「中南米の卓球事情」を教えて貰ったりと興味深い話を一杯聞くことが出来ました。そんな中「そう言えば20年位前、パナマに日本人の卓球関係者がいた」話題に成り、名前を思い出すため筆談に成って「仲???なんとか?」「仲村渠か?」「そうだ、そうだ!」と名前が確認でき「それは僕だ!」と奇遇?な出会いで大笑いしました。「顔が変わった?髪の毛が黒々でフサフサしていた」と随分話し込んでから確認できました。
シャララITTF会長とメキシコの中南米選手権で会った時「昔、シチズンとカナダチームの親善試合で仲村渠さんと試合をしたことがあるが、髪の毛が一杯あった事も忘れられない特徴」と話した事を思い出す「髪がかり」の一コマでした。
大会3日目。混合ダブルス決勝の直前の出来事。試合用6台、練習用3台の小さな会場。決勝戦が始まるのに練習を止めない選手達。見かねてコスタリカ役員にお願いし進行席へ伝言して貰った。「決勝以外では練習を止めてください」が流れやっと台から離れました。
ところが信じられない光景。決勝台の隣のコートで歓談している4人。しかも「卓球台の上に腰を掛けた或るチームのコーチとその仲間4人で、試合も見ず歓談している」この光景には流石、寛大な心の持ち主の僕でも怒り心頭。観覧席からその場所に直行し「この場所から至急離れ、観客席に移動すること」を伝え、しぶしぶ台から離れました。そのコーチには「試合を見るよう指導したらどうか?」「決勝戦を戦う選手達に失礼。大会運営者への非協力。“国際レベルの大会運営/競技力も改善したい”この大会に“唾を天に向かって掛ける行為”、スポーツマンとしてあり得ない行動」だと説明しました。中米のレベルが判断できる一コマでした。
自分で出来る事と出来ない事があります。自然災害や政府・地域諸々での出来事、現地の習慣や風習は中々変えられませんが理解は出来ます。決勝戦の話は自分達で出来るものと確信しています。
日本人が学んできた素晴らしいマナーや道徳心の考え方については「信念を持って伝える」ことで指導の軸がブレナイかなと常々思っている事です。
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