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仲村渠功

富める海岸 (コスタリカ) No.2 <指導編>

コーヒーが好きで香港駐在時はスマトラ・マンデリン、パナマ駐在時は現地のパナマ、最近まではコロンビアでしたが、コスタリカ・コーヒーを飲んで一気に嗜好が変わりました。個人差に依るでしょうが嗜好を変えることは勇気と決断が必要です。 それ以来 “コクがあって香りのいいコスタリカ・コーヒー”を飲んでいましたが、残念ながら持ち帰ったコーヒーも飲み干してしまい、今は元のコロンビアが主流となってしまいました。

果物も安く手に入りバナナ、パイナップル、スイカ等 日本と比較にならない価格で贅沢に腹一杯食べてしまいました。自然界では山が多く火山国のため、高原都市サンホセは標高1150M夏の軽井沢と言われる常春。しかし、他の州への移動は苦労しました。高低差が激しい坂道、移動中の山越え途中急に天候が変わり、前が見えないくらい霧になったり雨が降ったりとノンビリ(おちおち)助手席で寝ることも出来ません。移動途中現地で言われている「温泉」に入りましたが、水着で入るシステムで温泉ではなく少し温かめの温水プールでした。のんびり湯に浸かって疲れを癒す!なんてことが出来ず「ガクッ」としました。 一方、太平洋側の海岸線はコスタリカの日本語訳通り、美しい砂浜(豊かな・富める海岸)が遠くまで続き壮観でしたが眺めるだけでした。

風光明媚、民度も高いコスタリカ。サッカーを除いてすべてのスポーツが低迷していますが、この国だけでなく他の中南米諸国同様、卓球を長く続ける動機付けが多くありません。
しかし、ITTF国際卓球連盟ではアジア、欧州だけでなく南北アメリカ、アフリカ、オセアニアの大陸への普及・発展活動を試行錯誤しています。 幸いにも2011年初めてラテン・アメリカで上位12名に依る賞金付き大会(ITTFラテン・アメリカ・カップ)がブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催されました。第2回2012年はコスタリカ・サンホセ市で開催され、今年第3回はドミニカ共和国でした。
第2回大会で弱小国に関わらず見事に大会運営を行いました。

スポーツで一流になる。世界レベルで活動出来る。高い意識でスポーツに関われる。レベルの高い考えで卓球を運営するには難しい環境、厳しい状況が続く中南米諸国。その中でも中米は特にレベルが低く、更にコスタリカは改善された目標が沢山見つかり明るい兆しが見えてきました。
いつも協力してくれた仲間の車に便乗し①クラブチーム訪問 ②活発に活動する州での講習会 ③2ヶ月に一度のランキング大会観戦での選手選び、サンホセ市「ナショナル・スタディオ」への練習参加の切符を有望選手達に渡すことが出来ました。

新しくできた国立サッカー場の観客席下1階に10台常設された練習場。赴任する前に緊急に確保出来た練習場です。以前は各クラブチーム内だけで活動していた有望選手。今後、有望選手が合同・強化練習出来る環境が整いました。
合同練習や指導者講習会で力説した「チャンピオンへの道」「心・技・体・智」の基本的考え方がどこまで生かされるか今後に期待したいところです。

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