競技初日が終了し、学校対抗でベスト16が出揃った長崎インターハイ。2回戦からはシード校が登場する中で、初出場の八戸工業が選抜3位の桜の聖母を破るジャイアントキリングを成し遂げた。
●女子学校対抗2回戦
〈八戸工業(青森) 3-1 桜の聖母(福島)〉
馬場 -12、-5、-9 原田○
○小鹿 9、4、8 山内
○馬場/今 7、7、6 原田/久保
○三國 9、9、9 木村
八戸工業は1944年に創立された県立の工業高校。3年計画でインターハイ学校対抗出場を目指して強化をスタートさせ、昨年度の高校選抜出場を果たし、3年目の今年、見事にインハイ初出場を果たした。1回戦では早稲田実業との初出場対決を制して2回戦進出。2回戦では選抜3位でこの夏の東北大会で敗れていた桜の聖母との対戦となった。
1番で相手エースの原田優衣に先制点を奪われるスタートとなったが、2番では1回戦で敗れていた小鹿が奮起しストレートで勝利。3番のダブルスも1回戦では敗れた馬場未來/今瑠愛の2年生ペアが快勝して王手をかける。4番では三國海藍が各ゲーム競り合いながらも押し切って3-0で勝利し、東北大会のリベンジを果たして、初出場でのベスト16入りを決めた。
チームを率いる上野顕監督に話を聞くと「ウチは中学生の頃に(シングルスで)東北大会に出たのも1人だけ。ただ、みんな卓球が好きで、勝つことに飢えてますね」とのこと。工業高校だけあって、生徒は圧倒的に男子の方が多く、女子生徒の割合は全体の1割ほど。1・2回戦ともに勝利をあげた三國も「学校では男子と一緒に作業着を着て、溶接とか旋盤をしてます」と「工業ガール」として学校生活を送る。
明日行われる3回戦では2回戦に引き続き、同じ東北の山形城北と対戦。今大会の女子学校対抗でベスト16に進出したチームのうち、公立校は八戸工業のみ。私立隆盛の時代において、初出場の公立校として十分すぎるインパクトを残しているが、見据えるのはまだ先だ。「去年、青森商業さんが公立校でベスト8まで行っている。それも励みになっています」(上野監督)。
公立の工業高校に通う少女たちによる快進撃。「工業ガールズ」の夏はまだまだ続く。
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