この春、VICTASがリリースする[V>20]が話題を読んでいる。今月末にも卓球ショップで発売される予定だが、初回ロット分は注文の時点で完売と言われている。
卓球ショップやトップ選手用のモニターラバーもない状態で、これほど発売前に話題を呼び、注文が殺到する商品も近年では珍しい。
五輪代表、世界選手権メダリストの岸川聖也プロが自分の感覚でラバーを選び、開発に関わったが、一方で開発担当の仲村錦治郎(元五輪代表)は、岸川の発する言葉に耳を傾けながら、開発と製造に突き進んだ。
「岸川選手が多くのサンプルを試打した時に、『これだけが他のラバーと違う、これがいいですね』と指名したのが[V>20]だった。粒が中国的と言えるほどに低く、しかし密度は従来のラバーとさほど差はない。ただし、今までの[V>15]とは打球感が全く違う。
スポンジ硬度は52.5度(±3)は数字だけだったら硬い。しかし、シートに弾力性があるので硬さを感じない。この粒形状で軟らかいスポンジを貼るとあまり合わない。トップシートが若干薄めになったために(V>15は1.8㎜)、スポンジがMAXだと、[V>15]では2.1㎜だけど、[V>20]は2.3から2.4㎜のスポンジになっている。だから硬く感じないし、相手コートでバウンドしてからのボールの弾みがある、新しい感覚をMAXで上級者でも味わってもらえる。同時に中級者は厚さを変えることでコントロール性能に重きを置くこともできる」(仲村)。
ノンスリップと言われる回転系テンションラバーでありながら、しっかりボールを許容し、台に収めることができるのが[V>20]だ。
「すべての回転に対して反応が良すぎるとストレスがたまるので、許容範囲が必要で、反応して飛びすぎるのではなく、2.7mの台の中に収まるのが大切だと、それを岸川選手はこだわっていた。
1球のスーパーボールよりもトップ選手がラバーに求めるのは、安定感。10球打ったら10球入る安定感を望んでいる」(仲村)。
この1,2年、目立ったラバーがリリースされなかった卓球市場で、久々の大物商品と噂されるVICTASの[V>20]。期待は膨らむばかりだ。
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