シンガポール時間の今夜19時(日本時間20時)から行われるWTTシンガポールスマッシュの男女シングルス決勝。男女とも中国の同士打ちになり、男子は世界ランキング1位の樊振東と2位の馬龍、女子は1位の孫穎莎と22位の銭天一という顔合わせだ。
樊振東と馬龍はこれまで幾度となく国際大会で対戦し、馬龍が勝率で大きくリード。世界選手権とオリンピックでも決勝で対戦しているが、馬龍がすべて勝つなど大舞台になればなるほど馬龍の強さが際立つ。ただし、1年前のWTTシンガポールスマッシュ決勝では樊振東が4-3で馬龍を破って優勝している。
2人の直近の対決は中国国内大会になるが今年2月に北京で行われた『直通徳班』(世界選手権ダーバン大会(個人戦)中国代表選考会)。決勝で対戦し、馬龍が11-8、11-5、11-7のストレートで樊振東を下し、代表1番乗りに内定した。
樊振東のプレーを知り尽くす馬龍は、速さだけではなく緩急をつけたプレーで樊振東の「ミリ単位の打球点」を揺さぶる。ライジングをとらえた高速両ハンドでまもとに打ち合うと樊振東に劣ることがわかっている馬龍は「有利と不利の両方」を受け入れ、技術と戦術を駆使してこれまで後輩を退けてきた。
対する樊振東は、馬龍不在の世界選手権のチャンピオンではなく、5月のダーバン大会で馬龍に勝ち、真の世界王者になりたいはずだ。その前哨戦となる今夜の決勝で、樊振東がどのような戦術で馬龍に挑むのか。それを考えるだけでもワクワクしてくる。
どちらが勝つにしても、現時点で世界最高峰のゲームになることは間違いない。
女子シングル決勝は、日本でも知名度の高い孫穎莎と、世界ジュニアで優勝し、世界選手権にも出場しているが、シングルスでのメダル獲得はないため日本ではまだ馴染みの薄い銭天一のカードになった。世界ランキングから見ても孫穎莎が圧倒的に優位に立っているように思えるが、過去の国際大会の対戦成績を紐解いてみると、カデット、ジュニア時代までは銭天一が孫穎莎をリードし、3勝している。しかし、シニアになってからは勝利していない(国際大会で)。
このことから見ても孫穎莎が一歩リードしているが、今大会の銭天一は好調をキープしているため、どれだけ迫ることができるのかに注目したい。
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