偉大な卓球選手がもうすぐコートを去ろうとしている。ティモ・ボル、ドイツが生んだ不世出のスーパースター。
2000年以降の世界の卓球界を華麗に駆け抜け、唯一無二のプレースタイルを確立させた。2024年夏のパリ五輪が最後の国際大会となり、2025年の春に終わるブンデスリーガでラケットを置く。その卓球人生を振り返り、ティモ・ボルは何を語るのか。
ジュニア時代からティモ・ボルを追いかけてきた卓球王国の独占インタビュー。
◇◇
●ー団体戦でスウェーデンに敗れて、それが君の最後のオリンピックの試合でした。君は試合後にベンチの横でしばらく動かなかったね。
ボル あれはぼくのキャリアの中でももっとも特別な瞬間だった。負けた時にはぼくもチームメイトもガックリ来ていた。悲しかった。ところが、突然、会場のすべての観客が「ティモ、ティモ」と応援するように叫んでいた。「ありがとう」という感謝の声もあったけど、ぼくが感謝を言いたかったんだよ。すべてが特別な時間だった。
●ーそれはパリの観客だけでなく、世界中の、もちろん日本のファンも同じ気持ちだったと思う。長い間、卓球界で活躍してくれた君に感謝したかった。「ティモ、今まで本当にありがとう」とね。君は歴史に名を残した選手なんだから。もちろん地元のドイツのファンも「ありがとう」という気持ちを君に送っていたと思う。
ボル オリンピック前にWTTを中国でやった時も中国のファンから同じような応援をもらっていた。それはオリンピック前の最後の国際大会で、会場の数千人を超える人たちが声援を送ってくれた。うれしかったね。
<卓球王国最新号2月号より抜粋>
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