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東京五輪

4時間越えの大激戦、セルビアがブラジルを追い詰めるもわずかに及ばず

●男子団体1回戦

【ブラジル 3-2 セルビア】

 イシイ/ツボイ -7、-9、8、-8 ペト/イェフトビッチ○

○カルデラノ 8、-11、5、-10、5 レバヤツ

 ツボイ -8、-8、8、6、-11 イェフトビッチ○

○カルデラノ 9、4、-9、-9、8 ペト

○イシイ 6、6、12 レバヤツ

 

【フランス 3-0 香港】

○カッサン/ルベッソン 10、8、6 林兆恒/何鈞傑

○ゴーズィ 5、-7、12、9 黃鎮廷

○ルベッソン 10、5、4 何鈞傑

 

 セッション2最大の熱戦となったのはブラジルvs.セルビア。第6シードのブラジルに対し、下から2番目、第15シードのセルビアが食らいつき、4時間を越える激闘となった。

 1番のダブルスで33歳・ペト、34歳・イェフトビッチのベテランペアが勝利をあげると、セルビアの2番に出場の19歳・レバヤツが躍動する。世界ランキング7位のカルデラノに対し、レバヤツは387位。しかし、ボールに食らいつくガッツと荒削りながら威力あるフォアドライブで打ち合いを次々に制するなど、カルデラノを最終ゲームまで追い詰める。最後はカルデラノが勝利を収めたが、見応えのある好ゲームを展開した。

 するとレバヤツからバトンを受けたイェフトビッチが奮闘。気合いが空回り気味のツボイに対し、勢いをかわすような渋い攻守を見せて2ゲームを連取。第3、4ゲームをツボイに奪い返され、第5ゲームは3度のマッチポイントを握られたが、最後は長いラリーを動いて制したイェフトビッチが値千金の勝利をあげた。

 さらに、続く4番も大接戦。カルデラノが1、2ゲーム目を奪うも、セルビアはペトが追い上げる。センス抜群のバックから威力とスピードを兼ね備えたドライブとカウンターを連発し、フォアも巻き込むようなドライブでカルデラノを詰まらせる。台上のストップで徐々にカルデラノから主導権を奪ってペトが3、4ゲーム目を取り返し、この試合も最終ゲームへもつれ込む。疲労感を漂わせながらもカルデラノについて行ったペトだったが、最後はカルデラノが何とか逃げ切り、決着はラストへ持ち越された。

 5番はイシイとレバヤツ。レバヤツがカルデラノ戦のような爆発を見せれば、という中でそれを封じたのはイシイの堅実なプレーだった。パワーこそないが、しっかり足を使ってフォアドライブを撃ち込み、レバヤツがミスをするまで粘り強く攻める。打ち合いに引きずり込んでパワーで圧倒したいレバヤツだが、なかなかその機会を見出せず、我慢できずにミスを連発。最後まで自分のプレーを貫いたイシイがストレートで勝利し、ブラジルがなんとか初戦を突破した。

 世界団体予選では香港を破る番狂わせを演じて出場権をつかんだセルビア、本戦でも再び下克上を狙ったが、わずかに及ばず。ややぽっこりお腹で、プレーもどこかマスターズ感のあるベテラン2人に、19歳と思えない落ち着きと貫禄が漂うメガネの若者、個性的な3人のプレーをもう少し見たかったが、あっぱれな戦いぶりだった。勝利したブラジルは、準々決勝で韓国と対戦する。

 

 フランス対香港は接戦も予想されたが、終わってみればフランスがストレートで勝利。1番のダブルスでフランスペアがレシーブからバンバン仕掛けて先取点。気合いの入った戦いぶりで勢いをつけると、ゴーズィも2番のエース対決を制した。ルベッソンも序盤から先手を奪って試合を進めて快勝を収めた。フランス、次戦の相手は中国対エジプトの勝者。

男子トーナメント(8月1日セッション2終了時点)

 

 

●女子団体1回戦

【中国 3-0 オーストリア】

○孫穎莎/王曼昱 4、6、4 リュウ・ジャ/リュウ・ユエン

○陳夢 3、3、6 ポルカノバ

○王曼昱 2、3、3 リュウ・ユエン

 

【ドイツ 3-0 オーストラリア】

○P.ゾルヤ/シャン・シャオナ 1、5、4 テッパー/ブロムリー

○ハン・イン 11、-9、4、-7、2 レイ・ジェンファン

○シャン・シャオナ 2、3、9 ブロムリー

 

 団体4連覇を目指す中国は3試合ともストレート、しかもジュースにすら持ち込ませない圧勝で1回戦を突破した。劉詩雯に代わり、団体戦に出場することとなった王曼昱は2019年世界選手権で優勝を飾った孫穎莎とのペアで五輪デビュー。スタートこそ動きが硬かったが、5-4の場面で激しいラリーを制して力が抜けたか、以降は本来のプレーを見せて快勝。王曼昱は3番でも勝利し、五輪初戦を単複2勝で飾った。

 試合後、急遽出場が決まったことについて王曼昱は「事前合宿から、細かい部分まで出場選手のように準備してきた」とコメント。初の五輪での試合を「興奮していたし、感情的になった」と振り返った。

 前回銀メダルを獲得したドイツはダブルスをわずか15分で終わらせると、シングルスの再戦となった2番の対戦でもハン・インが最後は勝ち切って王手。シャン・シャオナもブロムリーを寄せ付けずに3-0で勝利を決めた。

 準々決勝では中国はフランス対シンガポールの勝者、ドイツは韓国対ポーランドの勝者と対戦する。

女子トーナメント(8月1日セッション2終了時点)

東京五輪速報

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