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Tリーグ

水谷、地元でスーパーラリー連発!KM東京が首位キープ

木下マイスター東京 3-1 岡山リベッツ
13勝6敗 5勝14敗
1 丹羽孝希 11-8 11-2 町飛鳥
田添健汰 柏竹琉
2 水谷隼 11-7 10-11 11-8 11-8 三部航平
3 張本智和 11-8 11-10 11-10 町飛鳥
4 丹羽孝希 11-4 10-11 5-11 6-11 吉田雅己

 

残すところ、各チーム3試合となったTリーグの2ndシーズン。男子の1位・木下マイスター東京vs4位・岡山リベッツの一戦が、木下の大黒柱、水谷隼の地元静岡県にて行われた。

会場となった「さわやかアリーナ袋井市総合体育館」は昨年12月にプレオープンした新しい体育館(4月から本オープン。ちなみに水谷選手の実家から車で15分ほどの距離なのだとか)。Tリーグ初開催に加え、地元の大スター・水谷が出場するということで、開場30分前にはすでに300人を超えるファンが行列を作り、超満員の1,268人が来場した。会場は木下カラーのグリーンで埋め尽くされ、邱建新監督も「今までで一番いい雰囲気」とご満悦。

開場を前に長蛇の列!

満員のさわやかアリーナ。木下を後押し

 

木下マイスターは単独首位ながら、2位、3位との差はわずかで、逆転される可能性がある油断のならない状況。一方の4位の岡山は、すでにプレーオフ進出の夢は絶たれているが、来シーズンに向けて良い形で残りの3試合を終わらせたいところだ。

トップのダブルスは、丹羽孝希/田添健汰vs町飛鳥/柏竹琉。この日は宇田幸矢を欠く木下は、サウスポーの丹羽をダブルスに起用。9月6日以来のペアリングで、今回も練習できていないということだったが、高い勝率を誇るダブルスのスペシャリストの田添が牽引。巧みなストップで相手の先手を防ぎ、ラリーでは常にコースを突く丁寧な両ハンドで丹羽をアシスト。岡山ペアも町がフォアフリックで積極的に仕掛けていくなど食らいついたが、ストレートで木下ペアが勝利した。

ミスのない、クレバーな戦いぶりで木下が勝利

若手の柏(右)も果敢に攻めたが勝利ならず

 

そして2番は、今日一番の大歓声を浴びながら水谷隼が登場。「地元のファンに満足して帰ってもらいたい」と、いつも以上に気合いが入っていた水谷は、序盤は三部航平に対して得意のラリー戦に持ち込み、見応え十分の引き合い&ロビングプレーを演出し、会場をおおいに沸かせた。1-1となって、3ゲーム目からは大きいラリーは控えて、スピーディーな前陣プレーにシフトチェンジ。最後もバックハンドからの回り込みという得意パターンで3連取して、若手を退けた。「地元でプレーできることはなかなかないので絶対に勝ちたかった。今日は自分らしいプレーができたと思います」と試合後、充実した表情。

世界屈指の華麗なロビングに観客もウットリ

Tリーグ4連敗中だった水谷。地元での久々の勝利に笑顔

 

敗れたが三部も素晴らしいパフォーマンス。引き合いでのカーブドライブは、あまりの曲がり具合に観客から歓声が起こるほど。「自分も悪いプレーではなかったが、水谷さんのほうがアグレッシブだった。いい経験になったので、次に活かしたいです」とコメントを残した。

粘り強い両ハンドで水谷と互角のラリーを繰り広げた三部

 

これでホームの木下が2-0とリード。一気に勝利を決めたい木下は、3番で張本智和が出陣。ここ数試合で、得意のバックハンドがさらにアグレッシブにレベルアップしている感のある張本は、町飛鳥に対しても積極的に仕掛けていくが、今日の精度はいまひとつ。本人も「リードしてから強引にいってしまった。自分から攻めることは大切だが、しっかりと入れていくプレーも必要」と反省するように、攻め急いでのミスが重なった。一進一退の攻防となったが、「競った時に以前よりも落ち着いてプレーできている」という張本が、第2、第3ゲームともに10-10からの1本勝負をきっちりとモノにして、3-0で強敵を下した。

前回に続き、シングルスで勝利。苦しんでも勝ち切るところはさすがだ

 

木下マイスター東京の勝利が決定。もう1勝して、勝ち点プラス1を得たいが、4番の丹羽がピリッとしない。幸先良く第1ゲームは取ったものの、全体的に攻めが遅く、下がってロビングになる展開もしばしば。よく知る同期の吉田雅己が相手なだけに得意のサービスで崩すことができず、全体的に精彩を欠いたプレーとなってしまった。「やっぱり4番は難しいですね。2番とかならやるしかないので頑張れるのですが、3-0で4番だと、どうしても僕だけじゃなくて、ベンチのみんなも監督も士気が下がってますし……(笑)」と本音がチラリ。「でも今日は吉田のプレーがすごく良くて、こちらがやることがなくなってしまった」と最後は相手を称えた。

ライバル丹羽を下し、吉田が一矢報いる

「チームが勝ったのは嬉しいですが、自分が負けたので落ち込みますね……」と丹羽

 

勝ち点3を獲得して、ガッチリと首位を守った木下マイスター東京。「今日の勝利でプレーオフ進出がグッと近づきました。3月14日、両国国技館でプレーオフがあるので、ぜひそちらも応援に来てください!」と水谷もプレーオフ進出を地元のファンの前で宣言した。これで木下のホームマッチは終了。残り2試合はアウェイでの戦いとなるが、このままラストまで突っ走っていきそうな勢いだ。

最後のホームマッチは、観客と一緒に記念撮影!

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