2024年3月末をもって活動停止となる東京富士大卓球部。最後のリーグ戦は思うように勝ち星がつかめずに7位。本日新座市民体育館で行われた1・2部入替戦に出場し、青山学院大と対戦。正真正銘、東京富士大としての最後の団体戦を迎えた。
●1・2部入替戦
〈東京富士大 4-3 青山学院大〉
熊谷 5、-6、-9、-8 小林莉○
○泉田 2、2、0 戸谷
伊東 12、-1、-4、-4 小林り○
泉田/原田 6、-8、-8、5、-7 木田/小林り○
○森田 6、0、5 北浦
○原田 7、8、-3、-7、3 木田
○上野 5、17、-9、8 庄易
1番で出場したのは4年生の熊谷桜。試合後に「フォアハンドを振り切ろうと思った」と語ったように、試合序盤から強烈なフォアドライブを連発して1ゲームを先取。しかし、2ゲーム目以降はラリー戦で中々得点をつかめず、小林莉歩に3ゲームを連取されて惜しくも敗北。しかし、2番の主将・泉田朱音が戸谷佐和子に対し、3ゲームを通して4点しか与えない完璧な試合を見せ、マッチカウントを1-1とする。
3番では2年生の伊東みらいが相手エースの小林りんごに1-3で、ダブルスもフルゲームで敗れて一気に青山学院に王手をかけられるも、5番で森田真綾がストレートで勝利したことで悪い流れを断ち切り、6番へと望みを繋ぐ。
6番の原田優芽は木田美佑里に対してゲームカウント2-0とリードをするが、3ゲーム目からは勝ちを意識したせいか、プレーの精細さを欠き2-2に追いつかれる。完全に流れが木田に傾いたかと思われたが、西村監督の「焦らずにゆっくりプレーしよう」というアドバイスで原田が完全復活。5ゲーム目は4ゲーム目までとはうって変わり、両ハンドで相手の台にしっかりとボールを運ぶ安定感のあるプレーで序盤から木田を突き放すと、フルゲームの激闘を制した。
勝負の行方が託された7番、60年の歴史を締めくくる最後に起用されたのが2年生の上野彩香梨。対する青山学院大は主将で19年インターハイ3位の実力者である庄易を起用。両者はともに岐阜・富田高出身で、公式戦では庄易が全勝。それでも、「苦手意識はなかった」と語る上野は、試合の序盤から積極的に攻撃を仕掛ける。早い打点でバック対バックを繰り広げたと思えば、「殴り合い」と形容したくなるようなフォアハンドの打ち合いを見せる。「とにかく自分から攻めることを意識した」と、先輩相手にも物怖じしない姿勢で2ゲームを連取。1ゲームを返されたものの、最後まで攻めの姿勢を貫いた上野が4ゲーム目を取り切り3-1で勝利した。
オーダー的に有利だったのも、先に王手を握ったのも青山学院大。それでも、観客席、ベンチ、選手が一体となって戦い抜き、東京富士大60年の歴史の最後を劇的な大逆転勝利で締めくくった。
「やってみないとわからないギリギリな試合だというのはわかっていたので、みんなを信じて戦いました。
(同級生の原田の試合について)まだ試合が終わってないのに、4、5ゲーム目から涙が出るくらい感動しました。
(7番の上野は)富田の先輩後輩対決だった。上野はリーグ戦であまり勝てずに悔しい思いをしてきたけど、最後はすごく頑張ってくれて、本当にずっと信じながら応援していました。
リーグ戦の2日目はOGがたくさん来て緊張してしまった部分はあったけど、今回はみんなで楽しもうっていうのを決めてから試合に入りました。自分だけじゃなくて、応援してくれている方も含めてみんなでつかんだ一点だと思って臨んだので、一体感のある試合が出来たのではないかなと思います。
西村監督にとっても最後の試合で、自分たちの思いはもちろん、監督やOGの思いもあってどうしても勝ちたかったので、本当に勝ててよかったです。
1、2年生の頃はコロナで試合がなくて、3年生の時は4年生の先輩方のおかげで自由に試合ができていた。4年生になってからは『自分が勝たないといけない』と思いすぎたせいで空回りして思うようなプレーができない時もありましたが、東京富士大はみんなのことを頼れる良いチーム。自分も頑張りながら、みんなのことを信じて試合ができたのが良かったかなと思います」(泉田主将)
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