WTT(ワールド・テーブルテニス)の幹部だったマット・パウンド氏が3年間務めた後、マネージング・ディレクターを辞任するとWTTが9月末に発表した。
「WTT の開発、創設、成長に携わることができて、WTTのチームを率い、成長させることができて大変光栄です。 チームからいなくなるのは寂しいですが、残ったスタッフがWTTを成長させ続け、スポーツを新たな高みに引き上げると強く信じています」とパウンド氏は語った。
パウンド氏は、2013年にメディア責任者として国際卓球連盟に加わった。5年後、同連盟のマーケティング・ディレクターに就任し、ITTFの全世界的な商業権を管理および開発し、2020年にはWTTのマネージング・ディレクターに就任した。新型コロナのパンデミックの厳しい時期、WTTを運営し、卓球の商業収益を2倍にし、ファンベースを3倍にし、世界的な卓球を運営するビジネスモデルの可能性に挑んだ。
WTTのスティーブ・デイントン最高経営責任者(CEO)は「マット氏の過去10年間の、めざましい貢献に心から感謝する。彼はWTT創設者の一人として、またITTFの商業面の発展に大きな役割を果たした人物として永遠に記憶されるだろう。 経営陣を代表して、マットの今後のご活躍をお祈り申し上げます」とコメントした。
3月のWTTスマッシュの際、シンガポールで会い、WTTスマッシュのコンセプトを説明をしてくれたマット・パウンド氏。「WTT構想」はデイントン氏とパウンド氏の二人が強力に推し進めたプランと言われている。創設以降、パンデミックや様々な困難に直面しながら、スポンサー獲得や、数十人規模に増えているWTTの組織運営に奔走していたパウンド氏の辞任の裏側に何があったのか。
大会の数は増えているものの、依然、なかなか定まらないWTTの大会カレンダー、そしてスポンサー獲得がままならず、WTTスマッシュ級のイベントが行われない中、パウンド氏の辞任は今後の組織運営にどのような影響を与えるのだろう。
パウンド氏が抜けた後のWTTの組織運営、その上部団体のITTF(国際卓球連盟)の舵取りに不安は残る。世界の卓球界の真のディレクターはどこにいるのだろうか。
ツイート