おおつ・えみこ
全国ラージボール大会の60代で圧勝した大津絵美子。
オールドファンは誰もが知っている「神田絵美子」だ。
今から40年前、東奥女子高校(現東奥学園・青森)、富士短大(東京富士大)、日産自動車で活躍。全日本選手権女子ダブルスでは4連覇(パートナーは山下恵子)、1982年度の全日本選手権ではシングルスで優勝し、1983年世界選手権東京大会では団体戦でも活躍。決勝に進出し、銀メダリストになった。
ペンホルダーのドライブ型、俊足を生かした連続攻撃で日本の頂点に立った選手は、現在、香川県の「丸亀SC卓球場」で毎日汗を流す。まだ「現役続行中」なのだ。
聞き手=今野昇
●−ラージボール大会は「全国」と「全日本」のふたつありますが、今回は地元なので出場を最初から決めていたのですか?
大津 いや、考えてなくて、「全日本」のほうで推薦になると思っていたら、2年間大会がなかったので推薦がなくて、「全国ラージ」が高松であると聞いたので近いほうに出ることになりました。来年はまた予選から出て「全日本ラージ」に出ようと思います。
●−大津さんはマスターズも30代から50代までで6回も優勝している選手ですが、硬式(40mmボール)とラージでは全然違うものですか?
大津 全く一緒です。私は鈍いのでラージも硬式も同じです(笑)。やり方も同じで、ラージのほうがドライブをあまり打たないでパンパン打っています。「ラージはこうで、硬式はこうで」とやたら言う人がいますけど、ボールが切れていればドライブかければいいし、切れてなかったら打っていけばいいし、やることは一緒なのに、みんななぜ違うというのかなと思っています。うちは卓球場(丸亀SC)をやっていますけど、ふだんも時間の比率はラージをやるのが6割、あとの4割が硬式という感じですね。
●−卓球選手、卓球コーチとしてどういう一日の過ごし方をしているのか興味があります。
大津 午前、午後で30分を6コマ教えています。それが終わると、そこからダブルスを組んで、みんなでワーワー楽しんでいます。夕方5時までやっています。卓球教室があれば教えるのが3時間なので、毎日最低3時間は打ちますね。それから3時間みんなでワーワーやるので6時間ボールを打っています。
●−現役を終えてからも、試合に出ていますけれど、今まで卓球を中断した時はあるんですか?
大津 出産の時ですね。あとは香川に来てからは試合にも出ていなかったけど、44歳の時に世界ベテラン大会が横浜であって、(日産自動車の)先輩の坂本(久美)さんに誘われて、ダブルスに出ないかと言われて、出ました。その時に「みんなに会えるからマスターズに出れば」と言われたんです。「みんなに1年に1回会えるのか」と思って、マスターズに出るようになりました。香川から年に1回試合に出る、それが楽しみになりました。先輩後輩、知り合いのみんなに会えるのが楽しみなんです。
●−卓球のスタイルはあまり変わらないですね?
大津 変えられないんですよ(笑)。でも、今は動けない(大笑)。現役の時は走っていたけど、今はそんなことできません。走ったら疲れて卓球ができなくなる(笑)。卓球を続けているので、体力だけはあるんですよ。
●−ふだん気をつけていることはあるんですか? 大津さんは健康そのものですから。
大津 卓球が大好きなんです。それで幸せを感じています。卓球をできる喜び、こんなに大好きな卓球を毎日やっていること、卓球ができることに感謝しています。それが生活の中で一番ですね。食事も特別気をつけないで、ふつうに朝ごはん食べて、お弁当を作って、お昼に食べて、そして夜も食べて、卓球を一生懸命やることが健康法ですね。
ツイート