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張本智和「その度に頑張って切り替えようとしてきましたが、そろそろ限界です」。Tリーグへの考えを示す

世界ランキング4位の張本智和(トヨタ自動車)が自身のSNSでTリーグに関する意見を発信した。Tリーグ創設から7シーズン戦い、日本の男子卓球を牽引する張本の言葉は重い。

Tリーグでは、ダブルスの3ゲームマッチ、デュースなし、各試合の最終ゲームは6-6からスタート(ビクトリーマッチは除く)、試合が2-2(同点)になった場合、1ゲーム(11ポイント)で争うビクトリーマッチを採用と独自ルールが採用されている。

「WTTとは全く違う、振れば入るようなボールを使うだとか、10-10は1本勝負だとか、最終ゲームは6-6スタートだとか、チームが2-2になって勝敗を決める1番大事な5番を1ゲームで決めるとか、そんなに時間短縮やジャイアントキリングが見たいなら格下はゲームカウント1-0スタート、格下チームはチームカウント2-2にできれば勝ち、みたいなもっと極端なルールを作れば良いです。その方がこっちも割り切れます」

「Tリーグに専念してる選手だけでなく、WTTを軸にプレーしてる僕たちもみんな生活のために全力でTリーグを戦っています。過去7シーズン、そんなルールにかなり気を張って戦ってきて大体の試合は勝てましたが、それでも勝てる試合を何試合も落としてきました。その度に頑張って切り替えようとしてきましたが、そろそろ限界です」

「どんなにおかしなルールだとしても、負けたら選手は落ち込みます。心の中ではそんなはずはないとわかっていても、負けた事実に落ち込みます。海外のトップ選手が『日本に来てこんなルールで負けて、Tリーグにはもう行きたくない』となったらリーグの未来はありません。Tリーグを見にきてくれるお客さんに本当の卓球をお見せしたいです。そして、お客さんを楽しませることも大切ですが、それと同じくらい選手にも配慮があるリーグであってほしいです。何も無理なお願いをしてるわけではないです。普通の試合がしたいだけです。思うことはもっとたくさんありますが、結局言いたいことは1つだけです。世界最高峰のリーグを作りたいのに、世界最高峰の選手たちだけに不利なルールでどうするんですか」

日本のエースとしてTリーグに貢献し、今季からは岡山リベッツに加入した張本。Tリーグのさらなる発展へ、という思いの発信だったのだろう。

確かにTリーグの独自ルールは世界のプロリーグの中でも異例なルールとなっている。しかも、リーグ創設当初からほぼ変わっていない。

日本のトップ選手たちはリーグと並行して、国際ツアーのWTTでもプレーしているため、「ルールの違い」に頭を悩ませている。

Tリーグのギャンブル性の高い(番狂わせを起こしやすい)独自ルール、もしくは試合時間短縮とも言えるルールには疑問を投げかける関係者は当初からいた。さらにこのルールのせいなのか、海外のトップ選手のTリーグへの参戦は年々減っているのが現状だ。

*写真は昨年のWTTファイナルズでの張本

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