2年連続の全日本優勝を決めたチャンピオンは謙虚であり、自然体というか、周りからは「超天然」と言われている。
全日本決勝で世界ランキング4位の張本智和(IMG)を撃破した爆発力を考えれば、世界ランキング48位の位置には誰もが納得できない。
自ら全日本を「通過点」と語った戸上隼輔(明治大)全日本優勝直後にその胸の内を語った。チャンピオンインタビューとして卓球王国4月号(明日発売)で紹介している。
テレビ解説していた水谷隼さんは、「準決勝、戸上対篠塚の試合。4ゲーム目の出足でロングサービスを戸上君が狙い打って以降、篠塚選手がロングサービスを出さなくなったのが敗因だ」と卓球王国4月号での「隼の眼」で書いている。
そのことを戸上に聞いた。
「本当にそのとおりですね。1、2ゲーム目のレシーブはチキータをやっていて、3ゲーム目以降、ロングサービスを待ちながらレシーブをフォアで返していました。そしてロングサービスが来た時に狙いました。それ以降、ロングサービスは来なくなりました。来なくなったのでフォア前をしっかり止めていきました」
男子シングルス決勝は戸上対張本智和(IMG)。ラブ・オールからサービスを出した戸上はあることに気づく。
「0-0からフォア前にサービスを出して、次をバックハンドでフォアに回してから相手のバックを抜いた。その1本で、今日はいける、勝てると感じました。前日の彼のダブルスを見ていたらマジで強いと思ったけど、実際にコートに立ったら、自信のない硬い張本がいた」(戸上)
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●17-15で取って、2-1のゲームカウントで優位に立った。
戸上 このゲームを取れて心理的に楽になったし、精神的に優位に立てました。逆転されそうになって、かつタイムアウトを取られたのに、自分が取り返したから相手にすごいショックを与えられたゲームになった。
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●小さい頃から参考にしたり、あこがれの選手はいたのかな?
戸上 参考にする選手はいないけど、クレアンガ。ぼくは前陣速攻だけど、クレアンガは後陣から両ハンド振っている。決勝の3ゲーム目のジュースの場面での後陣からのバックハンドは、クレアンガが入ってました(笑)。
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「今年1年が挑戦の年になる。そこで大きくステップアップできたら、張本を超えられる可能性もあると思っています。今年、彼を超えられるようになりたい」「国内でしか勝てないと思われるのが悔しい。世界で勝てる選手になりたい」
パリ五輪の切符を狙う21歳の戸上隼輔。「全日本優勝」によって、スタートダッシュをかけた2023年。それは五輪へのテイクオフだ。(卓球王国最新号・4月号より抜粋)
卓球王国4月号は全日本大特集!
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