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Tリーグ

日本生命がTOP名古屋を下し、プレーオフ進出を決める!

TOP名古屋 13 日本生命レッドエルフ
3勝13敗 12勝5敗
1 鈴木李茄 9-11 11-4 10-12 常晨晨
安藤みなみ 蒋慧
2 呉穎嵐 9-11 10-12 12-10 8-11 陳思羽
3 徐孝元 5-11 3-11 14-12 8-11 平野美宇
4 安藤みなみ 7-11 12-10 11-6 11-9 森さくら

 

女子Tリーグ、すでにプレーオフ進出を決めている木下アビエル神奈川に続き、日本生命レッドエルフがトップおとめピンポンズ名古屋を下し、2つ目の切符を獲得。3月17日に行われるプレーオフは、木下アビエルと日本生命の対決になることが決まった。

 

残り5試合で勝ち点1を獲得できれば、つまり負けたとしても1試合で2勝さえすればプレーオフが確定する状況だった日本生命は、アウェイでTOP名古屋と対戦した。

(※Tリーグは、0-4、1-3で負けた場合は敗れたチームに勝ち点は入らないが、延長戦に入り2-3で負けた場合には勝ち点1が入る)
 

まずはトップで確実に勝利をあげておきたい日本生命は、盤石の常晨晨/蒋慧を起用。対するTOP名古屋は、大学時代に学生日本一に輝いている鈴木李茄/安藤みなみのペアで挑んだ。

第1ゲームは、日本生命ペアが幸先良くゲームを奪取するが、第2ゲームは蒋慧のコースを読み切った安藤が得意のカウンターを決めて、1-1のタイ。6-6から始まった最終第3ゲームは、TOP名古屋ペアが先にマッチポイントを奪うも、ラストで3本連取を決めた日本生命ペアが逆転で勝利した。

ダブルス10勝目をあげた常晨晨/蒋慧

 

これで日本生命は、あと1勝すれば良いという状況に。第2マッチに登場したのは、シングルスではまだ勝ち星がなく、6連敗中と苦戦している陳思羽。第1、第2ゲームともにTOP名古屋の呉穎嵐にリードを許したものの、終盤で追いつき逆転でゲームを奪ったのは陳。バックハンドの巧みなコース取りと、要所での回り込みフォアドライブ、そしてラリー戦での粘り強さが際立っていた。

「自分でプレーオフが決まるというのは知りませんでした。もし知っていたらプレッシャーに押しつぶされていたかもしれないので、知らなくて良かったですね(笑)」と試合後に語ったとおり、持ち前の安定感のある両ハンドは最後まで崩れることなく、待望のシングルス初勝利とともに、プレーオフ進出を自らの手で決めた。

「勝負どころで自分からミスをしなかったのが大きかったですね。練習も一生懸命頑張っていたから、初勝利してくれて良かったです」と村上監督もほっと胸を撫で下ろした。


連敗のトンネルを抜けての初勝利に本人も照れ笑い

 

そして、3番はここのところやや調子を落としている平野が徐孝元に対して、すばらしいカット攻略を披露。

「1、2番が勝ってくれて、プレーオフも決まった状態で、プレッシャーがかからず試合できたので、チームに感謝ですね」という平野は、ここ数試合とは別人のように伸び伸びとしたドライブを見せつけた。第1、第2ゲームは強烈なドライブを相手のミドルに叩き込み、村上監督も「世界で一番カット打ちがうまいのではと思った」と語るほどの完璧な内容。

第3ゲームで、が平野のバックサイドにボールを集めて、回り込みをさせる展開を作ってから流れが傾きかけたが、第4ゲームはストップとループドライブを混ぜて、相手を前後に揺さぶる作戦に切り替え、勝利をもぎとった。

「昨日も負けてモヤモヤした気持ちはあったけど、あんまり自分の位置を高くしすぎないで、向かっていく気持ちでやろうと思ったら、今日はうまくできました」と平野。今日の試合をきっかけにして、復調していきたいところだ。

ハリケーン・ヒラノが復活ののろしをあげる!

徐孝元は、開幕戦に続き再び平野に敗れた

 

日本生命の勝利が決まり、わずかな可能性があったプレーオフへの道も断たれたとはいえ、このまま簡単に引き下がるわけにはいかないホームのTOP名古屋。第4マッチで意地を見せたのが安藤みなみだ。

対戦相手の森は同じ学年で、青森山田中時代は同じチームで切磋琢磨した間柄だが、「今まで数えきれないくらいやっているけど、小学生の時に勝って以来、一度も勝ったことない」という難敵で、Tリーグでも2戦2敗と分が悪い。今回も、序盤から森のパワフルなドライブに押されて、第1ゲームを奪われると、第2ゲームも3-6と離される展開に。しかし、ここでベンチがタイムアウトをとると、徐々に流れが変わっていく。

安藤はサービスのモーションを微妙に変化させて、またバックハンドも押すだけではなく、短く止めるなど緩急をつけて森のリズムを崩していくと、序盤ではミスが続いた伝家の宝刀フォアスマッシュも中盤からは決まり出した。リードされても諦めずに戦った安藤は、第4ゲームも2-7からの鮮やかな逆転勝利。最後まで熱い応援をしてくれたファンの前で、待望の勝利をあげた。

最後の一本を決め、渾身のガッツポーズ!

安藤の勝利でホームでのストレート負けはなんとか回避した

 

この試合で日本生命レッドエルフは、プレーオフが決定したが、チームが狙うのはレギュラーシーズンの1位通過。

「今日、木下アビエルが負けたので、逆転の可能性が見えてきました。やはり、2位通過で良いって言ったら、選手が頑張れないじゃないですか。今日も3-0で勝っていたけど、森が頑張ってくれたし、その姿を見せるからTリーグの4番制の価値がある。一つひとつの試合が大事だし、捨て試合になったらお客さんにも申し訳ないですからね」と村上監督。

日本生命は残りの4試合中2試合が、木下アビエルとの対戦。プレーオフに向けての首位攻防戦はさらにヒートアップしていくだろう。

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