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Tリーグ

木下アビエルが日本生命を下す。地元大阪出身の浜本が試合を決める!

日本生命レッドエルフ 13 木下アビエル神奈川
12勝6敗 15勝3敗

 

1 常晨晨 9-11 9-11 木原美悠
蒋慧 石川佳純
2 前田美優 11-9 11-7 8-11 7-11 13-11 袁雪嬌
3 陳思羽 7-11 9-11 5-11 杜凱琹
4 常晨晨 11-7 5-11 9-11 8-11 浜本由惟

 
首位の木下アビエル神奈川と2位の日本生命レッドエルフの一戦が、日本生命のホームとしてはびきのコロセアムで行われた。
両チームともすでに3月17日のプレイオフファイナル進出を決めているが、木下アビエルはメンバーを落とすことなくベストメンバーで大阪入り。一方の日本生命は早田がポルトガルオープン参加のため、平野も休場となり、戦力的に木下アビエルが有利に見られていた。
 
木下アビエルのトップは、石川/木原のダブルス。木原とのペアで勝ち星を重ねている長崎もベンチ入りしていたが、この日は石川がダブルスに出てきた。
日本生命は常晨晨/蒋慧と中国選手同士の固定ペア。日本生命の村上総監督が「うちはほぼダブルスのペアは動かしていないけれど、木下さんはいろいろ変えてくる。石川と木原のペアだとは思わなかった」と言ったが、木下アビエルのペアリングはファイナルを見越していくつかのペアリングを試しているのだろうか。
その石川/木原は、試合巧者の中国ペアに競り合いながらも勝負所できちりと得点し、ストレートで勝利。石川が木原に言葉をかけながらしっかりとプレーしていたのが印象的だった。

ファイナルを見越したペアか!? 石川と木原が先取点を挙げる

 
第2マッチ、木下アビエルは袁雪嬌で日本生命は前田。この2人はTリーグで1度顔を合わせているが、その時は袁雪嬌が3−0で前田を下している。だが、この試合では前田の攻撃的なプレーが光った。前田は、横回転、ロングサービス、巻き込むと多彩なサービステクニックで袁雪嬌のレシーブを崩すと、3球目は威力のある両ハンド攻撃を見せた。1度つないでしまうと袁雪嬌に盛り返されてしまうため、前田はバック対バックでもスピードを緩めることなく、袁雪嬌が先にミスをする。
前田が2ゲームを先取し、そのまま試合を決めるかと思われたがそこは袁雪嬌。レシーブをしっかりと入れて、前田のドライブを両ハンドで狙う戦術に変えて2ゲームを奪い返した。ペースは袁雪嬌に流れていたが、最終ゲームで前田の冴えが戻る。前田が10−9とマッチポイントを握ったが、袁雪嬌が1点を返してジュースに。しかし、前田は強気のプレーを続けて13−11で強豪の袁雪嬌を下した。

多彩なサービスと攻撃的なプレーを見せた前田

高い勝率を誇る袁雪嬌だったが前田に押された

会心のプレーで前田が1点を奪い返す

 
前田の活躍に沸いたはびきのコロセアムだったが、第3マッチでは木下アビエルの杜凱琹が日本生命の陳思羽をスタートから畳み掛ける。強打者同士のドライブ戦になったが、YGサービスのうまさと打球の威力に勝る杜凱琹が陳思羽を圧倒。杜凱琹が相手に傾きかけた流れを止めた。

気合い十分の杜凱琹がスタートから攻め立てた

 
第4マッチには地元大阪出身の浜本が登場。「1年前までチームメイトでよく練習をしてもらっていた(浜本)」という常晨晨に対して、浜本は1ゲーム目を落としたが、2ゲーム目からは独特の高くボールを投げて、ボールの落下速度を利用した切れ味の鋭いサービスで常晨晨のレシーブミスを誘い、常晨晨が安全に入れてきたレシーブをフォアドライブでストレートに打ち抜くなどペースをつかむと、3ゲームを連取して逆転勝ち。木下アビエルがだめ押しの勝ち点3を追加した。

鋭さが増した浜本が試合を決めた


 
試合後の囲みインタビューで村上総監督は試合を振り返った。
「今日の試合はうちは前田、木下さんは浜本が活躍しましたが、Tリーグに参加した日本選手がどんどん力をつけていると感じてる。海外のレベルの高い選手との練習や試合で、他にも日本選手が強くなっている。Tリーグ効果だ。
今日は平野と早田が不参加だったが、ファイナルではこの2人を含めてベストメンバーで挑んで、初代王者を勝ち取りたいね(村上)」
 
少し気が早いが、3月17日の両国国技館でのプレイオフファイナルで、両チームがどのようなオーダーを組み、そしてどのような戦いになるのか。今から楽しみである。

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