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Tリーグ

Vマッチを制して木下アビエルが日本ペイントに借りを返す

 

日本ペイントマレッツ 2-3 木下アビエル神奈川

 

1 馮天薇  11-5 5-11 9-11 石川佳純
蘭義 木原美悠
2 松平志穂 6-11 12-10 7-11 12-10 12-10 長﨑美柚
3 李皓晴 4-11 4-11 8-11 石川佳純
4 馮天薇 11-8 11-3 12-10 杜凱琹
5 蘭義 8-11 杜凱琹

 
一週間前の2月10日に対戦している木下アビエル神奈川と日本ペイントマレッツ。この時は日本ペイントが木下アビエルをビクトリーマッチの末に破り、悪夢の11連敗を脱出しただけでなく、木下アビエルから初白星を挙げるといううれしい勝利となった。
2連勝を狙う日本ペイントと、借りを返したい木下アビエル。両チームの戦いは前回に続いてヒートアップし、またもやビクトリーマッチへ。最後は地力に勝る木下アビエルが意地を見せて、日本ペイントを下した。
 
第1マッチのダブルス、木下アビエルは前日の日本生命戦に続いて石川/木原が出場。日本ペイントは後半戦からペアを組む馮天薇/蘭曦。序盤は日本ペイントペアが鋭い攻撃で攻めて木下アビエルペアを圧倒したが、木原の巻き込みサービスが効き始めると形勢が逆転して1−1に。6オールから始まる最終ゲームは一進一退の攻防が続いたが、9オールで木原がバックフリックでクロスにノータッチのレシーブエースを決めると、次のシーンでは蘭曦のわずかに台から出たサービスをフォアドライブでストレートに打ち抜いた。「最後は木原さんがとても良いレシーブで決めてくれた。すごかったです」と石川が言うように、14歳のTリーガー・木原が勝負を決めた。

14歳の木原(右)が会心のプレーを見せる

石川のリードがあるからこそ強さが増す、木下アビエルのダブルス

 
この試合で袁雪嬌を休ませた木下アビエルは、第2マッチに長崎を起用し、日本ペイントは松平が出場。第1ゲームは長崎がサービスから切れのある両ハンドドライブを打ち込んで先制。松平は長崎の球威に押されて手が出なかったが、「我慢のプレーで最後までついていけばチャンスが出てくるはず(松平)」と言うように、しゃがみ込みサービスで長短をつけて長崎のレシーブミスを誘うと、次第にペースをつかみ始まる。
松平は1−2とゲームをリードされたが、「オーダーを見た時に、私が勝たなければチームの勝利は厳しいと感じたので、なんとしてでも取りたかった。長崎さんとは初対決で、どのように試合を組み立てていけばいいのかわからなかった。両サイドが強いということで、最初はミドルを攻めた。でも、それは自分が行う“対左利きの戦術”とは違ったので、途中からは両サイドを攻める自分の戦術に変えて、そこから互角に戦えることができるようになった(松平)」と試合後に語ったが、見事な戦術転換でマッチポイントの窮地をしのぎ、貴重な1点を奪った。

我慢のプレーで驚異の逆転劇を演じた松平

激戦後の志穂スマイル

 
第3マッチは石川の強さが際立つ結果になった。石川はラリー戦に持ち込まず、しなるようなフォームから繰り出す両ハンドドライブで李皓晴を撃破。下から持ち上げるような打法はほとんどなく、叩き付けるようなドライブでチームに流れを引き戻した。

格の違いを見せつけた石川

 
木下アビエルのエースが石川ならば、日本ペイントのエースは馮天薇だ。第4マッチに登場した馮天薇は、直前の試合で石川が見せた世界トップレベルのプレーに見劣りしないハイレベルなプレーを行う。
杜凱琹の剛球をものともせず、馮天薇はカウンターで狙い打つ。チキータ封じのためにナックル性のロングサービスを多用するなど、考え抜かれた戦術も忘れない。馮天薇が3−0で杜凱琹を下し、勝負はビクトリーマッチへ。

馮天薇が勝ち、勝負の行方はビクトリーマッチへ

 
ビクトリーマッチに登場したのは、杜凱琹と蘭曦。直前に馮天薇に完敗していた杜凱琹だったが、すぐに気持ちを切り替えてスタートから気合い十分。対する蘭曦は初のシングルス、しかもビクトリーマッチということで堅さが見られたが、プレーは乱れることなく互角の展開が続く。6オールから杜凱琹が抜け出して10−7とマッチポイントを握ると、次の1本を蘭曦が奪うも挽回はそこまで。11−8で杜凱琹が逃げ切り、木下アビエルが一週間前の雪辱を果たした。

杜凱琹が強気のプレーでチームを勝利に導く

蘭曦はシングルスの初勝利ならず

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