〈第2部〉日本代表選抜(女子) 11-10、10-11、1-0 日本代表選抜(男子)
「2020 JAPAN オールスタードリームマッチ」の第2部は、日本代表選抜による異色の「男女対抗戦」。女子に4点のハンディが与えられ、1点ごとに失点した選手が入れ替わっていくというルールで行われた。日本代表選抜(女子)のメンバーは石川佳純、早田ひな、長﨑美柚と3人全員がサウスポー。一方の日本代表選抜(男子)も、張本智和以外は丹羽孝希、森薗政崇、宇田幸矢と左腕が揃い、試合のほとんどが左腕同士のラリーというのが印象的だった。まず1ゲーム目、各スコアごとの対戦選手は下記のようになった。
●1ゲーム目の各スコアの対戦選手
石川 4-0 張本
早田 4-1 張本
早田 5-1 丹羽
長﨑 5-2 丹羽
長﨑 6-2 森薗
長﨑 7-2 宇田
石川 7-3 宇田
石川 8-3 張本
早田 8-4 張本
早田 9-4 丹羽
長﨑 9-5 丹羽
石川 9-6 丹羽
早田 9-7 丹羽
長﨑 9-8 丹羽
石川 9-9 丹羽
石川 10-9 森薗
早田 10-10 森薗
早田 11-10 森薗
「サービスはすべて女子から」というルールで行われた1ゲーム目は、4点のハンディも相まって女子が順調にリードを広げ、9-4。しかし、ここで丹羽がレシーブエースを連発して挽回し、1ゲーム目から10-10にもつれた。最後は早田のバックのループドライブがジャストミートせず、それが逆に森薗のミスを誘って女子が先制。
●2ゲーム目の各スコアの対戦選手
早田 4-0 丹羽
早田 5-0 森薗
石川 5-1 森薗
石川 6-1 宇田
石川 7-1 張本
石川 8-1 丹羽
長﨑 8-2 丹羽
早田 8-3 丹羽
石川 8-4 丹羽
長﨑 8-5 丹羽
早田 8-6 丹羽
石川 8-7 丹羽
石川 9-7 森薗
長﨑 9-8 森薗
早田 9-9 森薗
石川 9-10 森薗
石川 10-10 宇田
石川 10-11 宇田
●3ゲーム目の1点マッチ
早田 1-0 宇田
石川が男子のパワードライブを次々に跳ね返して、女子が8-1とリードした時点で「勝負あった」と思われたが、またも立ちはだかったのは丹羽。台から距離を取り、中陣でのブロックと両ハンドで対応するプレーにモデルチェンジして勝利への執念を見せた。8-7で石川がバック対バックから丹羽のフォアを鮮やかにバックハンドで抜き、丹羽の進撃を止めた女子だが、男子はファイター森薗の3点連取で逆転。最後は10-10から宇田が締めた。
本来は4ゲームズマッチだったこの男女対抗戦だったが、ここで時間切れとなり、勝負は早田と宇田の「一本勝負」に。得意の巻き込みサービスをミドルから宇田のフォアに出した早田。男子では使い手の少ない巻き込みサービスに、宇田のドライブレシーブがミスとなり、勝負あり。女子チームは歓喜に沸いた。「このような機会というのは人生で一度あるかどうか。普通はないことなので、こういう企画を考えてくださった方に感謝したいですし、こうやって皆さんに見せられて凄く楽しかった。最後の一本はうれしすぎて、盛り上がりすぎてしまったんですけど、勝ちは勝ちなので勝ててよかったです」(早田)。
男子選手に打ち負けないラリー戦での強さを見せた石川は、「男子と女子に別れて、こうやって皆さんの前で試合できて本当に楽しかったです。張本くんとは小学生の頃よく試合をしていて、久しぶりにやったけどサービスは全然効かなかった」と語った。一方の張本は、石川のプレーに対して「本当に球筋もきれいなボールで、いつ見ていてもきれいなボールを自分で間近で受けることができて、新しい経験で良かった」とコメントした。
最後は少々ドタバタで終わった感もある第二部だが、始まってしまえばまるで高校の男子卓球部と女子卓球部の対抗戦のように、予想外の盛り上がりを見せた。男子に挑む石川や早田の真剣な表情、得点後の弾けるような笑顔が印象的だった。
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