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中国リポート

集合訓練中の中国チームが「熱身賽」開催。団体戦で王楚欽と孫穎莎に試練

8月3日に山東省威海市に入り、9〜10月に行われるアジア選手権とアジア競技大会というふたつのビッグゲームに備え、山東威海南海国家卓球訓練基地で集合訓練を行っている中国国家チーム。8月23日、その総仕上げとなるチーム内での「熱身賽(エキシビションマッチ)」が開幕した。

4日間に渡って男女団体、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの計7種目が行われる今回のエキシビションマッチ。初日の23日には男女団体の準決勝・決勝が行われた。男女国家チームの選手をそれぞれ4チームに分けて開催した試合の結果は下記のとおり。

〈男子団体〉
●準決勝
 〈男団一隊 3−0 男団四隊〉
◯王楚欽 4、5、5 梁儼苧
◯樊振東 7、8、−9、4 袁励岑
◯馬龍 8、5、9 孫聞
 〈男団二隊 3−1 男団三隊〉
◯林高遠 10、−7、10、7 周啓豪
梁靖崑 2、−12、−8、−4 向鵬◯
◯林詩棟 3、11、−8、8 徐瑛彬
◯梁靖崑 5、9、1 周啓豪

●決勝
 〈男団二隊 3−2 男団一隊〉
林詩棟 −9、7、−3、−7 樊振東◯
◯梁靖崑 −9、−4、8、6、3 王楚欽
◯林高遠 −11、7、−3、7、8 馬龍
梁靖崑 −4、−15、7、3、−7 樊振東◯
◯林詩棟 4、5、8 王楚欽

男子団体では樊振東・王楚欽・馬龍の男団一隊が、決勝で梁靖崑・林高遠・林詩棟の男団二隊にまさかの敗戦を喫した。男団一隊のベンチには男子1軍チームの王皓監督、男団二隊のベンチには劉志強コーチが入り、本番さながらの雰囲気の中、男団一隊は王楚欽が2敗と不調。2番で梁靖崑にゲームカウント2−0から逆転されると、ラストでは林詩棟に対してミドルでの両ハンドの攻防で先手を取られ、強烈な両ハンドドライブで何度もフォアサイドを打ち抜かれた。

男団一隊はいわば「仮想パリ五輪代表」。その中で、王楚欽は団体とシングルス、孫穎莎との混合ダブルスで3種目出場が確実視されている。それだけに今回の団体決勝での2敗には不安の声が挙がっているが、相手が梁靖崑と林詩棟では致し方ない部分もあるだろう。特に林詩棟は強い。先輩の梁靖崑や林高遠を追い抜き、樊振東や王楚欽に肩を並べる実力を備えつつある。

世界卓球ダーバン大会では勝利した林高遠にゲームオールで敗れた馬龍(写真はダーバン大会)

 

〈女子団体〉
●準決勝
 〈女団一隊 3−1 女団四隊〉
孫穎莎 −6、11、8、−13、−8 蒯曼◯
◯王曼昱 6、8、8 劉煒珊
◯陳夢 8、−8、9、3 孫銘陽
◯孫穎莎 6、11、6 劉煒珊
 〈女団二隊 3−0 女団三隊〉
◯王芸迪 10、10、2 范思琦
◯陳幸同 4、3、−10、6 韓菲児
◯銭天一 6、−9、4、−12、10 張瑞

●決勝
 〈女団一隊 3−1 女団二隊〉
王曼昱 −6、5、13、−9、−4 陳幸同◯
◯孫穎莎 6、4、7 王芸迪
◯陳夢 9、−8、8、−8、9 銭天一
◯王曼昱 8、4、−19、5 王芸迪

女子団体は、こちらも「仮想パリ五輪代表」の孫穎莎・王曼昱・陳夢による女団一隊が思わぬ苦戦。準決勝のトップで孫穎莎が蒯曼に敗れ、決勝トップでは王曼昱が陳幸同に敗れた。

世界女王の孫穎莎は、先月行われた中国卓球クラブ超級リーグの第1ステージでも劉煒珊や銭天一らに敗れ、2試合続けて2点を落としている。国家チーム内でも圧倒的な強さを誇ってきただけに、その不調は少々気がかりだ。エキシビションマッチでの女子シングルスで優勝し、ファンからの不安の声を払拭できるか?

 

先月の超級リーグプレーオフから、やや調子を落としている孫穎莎(写真は超級リーグプレーオフ/写真提供:ピンパン世界)

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