卓球王国 2021年10月21日 発売 vol.295
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中国リポート

全中国運動会、豪腕無双・王曼昱、陳夢と孫穎莎を圧倒してV

……すっかり遅くなってしまいました(汗)。9月26日に閉幕した全中国運動会・卓球競技。取材できなかった無念さに加え、次の大会が4年後かと思うと涙が出てきますが、グッとこらえて各種目の結果をお伝えします。まずは女子シングルスの結果からどうぞ。

〈女子シングルス〉●2回戦(ベスト8決定戦)
陳夢(山東省) 4、−9、4、4、5 孫芸禎(湖北省)
王芸迪(遼寧省) 6、−7、7、9、9 蒯曼(江蘇省)
何卓佳(河北省) 6、−7、3、9、4 范思チィ(四川省)
王曼昱(黒龍江省) 3、−7、8、−6、7、1 劉斐(江蘇省)
劉詩ウェン(広東省) 9、11、7、7 顧玉ティン(山東省)
銭天一(江蘇省) 4、4、−10、14、−5、8 李佳イ(遼寧省)
陳幸同(遼寧省) 8、9、−7、4、10 張瑞(湖北省)
孫穎莎(河北省) −10、4、8、7、5 張遅(広東省)
●準々決勝
陳夢 9、−5、6、6、−6、5 王芸迪
王曼昱 7、7、11、7 何卓佳
劉詩ウェン 10、6、−4、6、−9、7 銭天一
孫穎莎 3、9、10、−3、−3、4 陳幸同
●準決勝
王曼昱 10、7、3、9 陳夢
孫穎莎 4、7、8、6 劉詩ウェン
●3位決定戦
劉詩ウェン 9、−5、4、3 陳夢
●決勝
王曼昱 10、9、12、7 孫穎莎

優勝を決め、コーチと抱き合う王曼昱

準決勝で陳夢、決勝で孫穎莎という東京五輪団体戦のチームメイトをストレートで破り、女子シングルスの頂点に立ったのは王曼昱。黒龍江省から女子シングルスのチャンピオンが誕生したのは、1983・87年大会で2連覇した焦志敏以来、実に34年ぶりだ。

王曼昱が女子シングルスで落としたゲームは、2回戦でカットの劉斐と対戦した時の2ゲームのみ。準決勝の陳夢戦では、1ゲーム目0ー4、3ー6とリードを許し、9ー10とゲームポイントを先に握られながら、バックドライブから果敢な回り込み攻撃で得点。176cmという長身ゆえに、動いた時に体が左右に倒れやすく、リカバーがやや遅れる印象があったが、体幹と下半身の筋力を相当鍛えてきたのだろう。

決勝の孫穎莎戦は、1歳年下の「宿命のライバル」との激突。スコアこそ4ー0だが、3ゲーム目は孫穎莎に二度のゲームポイントを握られるなど、各ゲームは常に接戦。バック対バックでは、互いにサイドを切るボールやミドル、回転をかけて前に落とす長短の変化など、細かいコース変更で揺さぶりをかけた。その中で、2ゲーム目の10ー9から回り込みのバックストレート、3ゲーム目の13ー12からフォアの連続パワードライブと、「最後はフォアで決める」という強い意志を感じさせるプレーで、王曼昱が栄冠をつかみとった。

孫穎莎はこれまで何度も熱戦を展開してきた王曼昱に、まさかのストレート負け

準決勝で孫穎莎に完敗した劉詩ウェンは、3位決定戦で陳夢を破って銅メダル。ライバルの丁寧は全中国運動会の舞台に立つことなくラケットを置いたが、彼女にとっても全中国運動会はこれが最後になるかもしれない。しかし、試合後は次のようにコメントしている。「(現役生活の中で)残る試合はどんどん少なくなっていくけど、私はまだあきらめたくない。成績は以前ほど出せなくなっているけど、こうしてプレーできる時間はより貴重なものに感じるし、これからも全力でプレーしていきたい」(劉詩ウェン)。

中国女子はこれから、陳夢・孫穎莎・王曼昱の3強時代がしばらく続きそうだ。本来の実力なら、ここに割って入るであろう朱雨玲は、身体上の問題を理由に大会に出場せず。大会の閉幕後、甲状腺に腫瘍が見つかり、手術を受けていたことをSNS上で明らかにした。幸い腫瘍は良性で、手術は成功したとのこと。国家チームからの引退もささやかれていたが、ここから奇跡の復活劇はあるのだろうか。

※写真提供:『ピンパン世界』