〈男子シングルス〉●1回戦
樊振東(広東省) 8、6、6、ー3、ー5、ー7、8 牛冠凱(河南省)
張煜東(江蘇省) ー7、7、6、8、ー9、7 林高遠(広東省)
尚坤(上海市) 5、ー8、8、8、ー9、ー5、10 方博(山東省)
梁儼苧(河北省) ー8、12、ー9、9、ー8、7、11 徐晨皓(北京市)
向鵬(浙江省) ー10、ー12、9、9、4、ー13、7 徐海東(遼寧省)
劉丁碩(山東省) 8、8、6、ー9、ー11、9 林詩棟(海南省)
●2回戦(ベスト8決定戦)
樊振東 7、11、−4、7、8 閻安(北京市)
尚坤 10、−14、12、−7、4、−8、5 孫聞(江蘇省)
周啓豪(広東省) 9、6、14、−7、9 向鵬
梁靖崑(河北省) 7、7、6、2 賽林威(陝西省)
于子洋(山東省) −11、5、−2、8、8、5 張煜東
王楚欽(北京市) 8、−2、−10、3、−7、12、9 徐瑛彬(黒龍江省)
劉丁碩 4、10、10、8 梁儼苧
許シン(上海市) 8、−8、6、9、4 周雨(河南省)
●準々決勝
樊振東 6、7、11、−6、10 尚坤
梁靖崑 −8、−10、3、12、5、8 周啓豪
王楚欽 9、10、3、−6、10 于子洋
劉丁碩 6、5、−8、5、−6、−5、8 許シン
●準決勝
樊振東 6、8、10、7 梁靖崑
劉丁碩 6、12、−10、11、4 王楚欽
●3位決定戦
梁靖崑 9、11、4 王楚欽
●決勝
樊振東 3、9、4、4 劉丁碩
4年に1度の全中国運動会・卓球競技、男子シングルスの結果は上記のとおり。2連覇中の馬龍が、団体戦に注力するために男子シングルスを欠場する中、樊振東が決勝で劉丁碩を一蹴。2013・2017年大会と2大会続けて決勝で馬龍に敗れていたが、ついに頂点に立った。
本来の所属チームである人民解放軍チームが強化を停止したため、出身地である広東省チームから出場した樊振東。最大の苦戦は、初戦となる1回戦。ジュニア時代には張本智和のライバルとも言われた、19歳の牛冠凱にゲームカウント3ー0から3ー3に追いつかれ、ゲームオールで辛くも勝利を収めた。
ここからは危なげない勝ち上がりを見せた樊振東。準決勝では、2019年の世界選手権個人戦で敗れている梁靖崑との「大胖・小胖(大デブ・小デブ)」対決にストレート勝ち。決勝では、許シンと王楚欽を破って勝ち上がった劉丁碩に対し、バック対バックの攻防で圧倒。1ゲーム目は4ー3から7点連取、3ゲーム目も4ー4から7点連取、勝負を決めた4ゲーム目も0-1から7点連取で劉丁碩を突き放し、つけ入る隙を与えなかった。
今大会、男子団体とシングルスの2冠に輝いた樊振東は、試合後の会見で次のようにコメントしている。「全中国運動会は非常にハードな大会。シングルスの優勝までの道のりは、スムーズに見えたかもしれないけど決して簡単ではなかった。選手同士のレベルの差はわずかだ。オリンピックを経験したことで、以前よりもより大胆かつ慎重にプレーできるようになったと思う」。天敵・馬龍が健在のうちに「馬龍越え」を果たせなかったのは残念だが、これから名実ともに中国男子の大黒柱になっていくだろう。
決勝まで破竹の快進撃を見せた劉丁碩のプレーは、決してスマートとは言い難い。しかし、体幹が非常に強く、前後左右に大きく動かされても、上半身はまるで「台の上に乗っている」かのような安定感。相手がミスをするまで相手コートに両ハンドのドライブを打ち続け、準々決勝では許シンとの大ラリー戦を制した。
結果的に男子シングルスの表彰台に立った3選手は、いずれも右シェークドライブ型。尚坤、于子洋、許シンといった左腕が準々決勝で敗れ、左腕の最後の砦・王楚欽も準決勝と3位決定戦で完敗した。未だに左腕の男子世界チャンピオン(シングルス)が生まれていない中国。全中国運動会では過去に王会元、王涛、呂林といった左腕の男子チャンピオンが誕生しているが、今大会については「王道」と言われる右腕に軍配が上がったようだ。
ツイート