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Tリーグ

岡山リベッツが初のホーム戦を制す。韓国2選手が大活躍!!

岡山リベッツ 3-1 T.T彩たま
2勝2敗 2勝2敗

 

1 上田仁 11-5 14-12 岸川聖也
森薗政崇 黄鎮廷
2 林鐘勲 8-11 10-12 11-6 11-8 11-8 吉村真晴
3 李尚洙 11-6 11-9 7-11 9-11 13-11 黄鎮廷
4 上田仁 11-8 8-11 9-11 8-11 鄭栄植
5


岡山リベッツが初のホーム戦で
T.T彩たまを下し、歴史的な勝利をあげた。

 この日の岡山リベッツのオーダーには2人の韓国選手の名前があった。ひとりはスケジュールが合わず、開幕戦から3試合を欠場していた李尚洙、そして1114日深夜に加入がプレスリリースされた林鐘勲。この2人に加えて、上田仁、森薗政崇とベストメンバーでT.T彩たまを迎え入れた。

 対するT.T彩たまも黄鎮廷鄭栄植、吉村真晴、岸川聖也と不動のオーダー。両リームのメンバーを見ると戦力的に優劣が付けづらく、どちらが勝つのかを試合前に予想することが難しかった。

 上田・森薗と黄鎮廷・岸川の対戦となった第1マッチのダブルス。1081人が集結した岡山武道館だが、そのほとんどがホームの岡山サポーター。チームのTシャツやマフラータオルを手にした応援は一体感があり、これぞホームゲームという雰囲気でラブオールのコールが告げられた。

貴重な先取点をあげた上田(右)と森薗のダブルス

 

 スタートダッシュをかけたのは上田・森薗だ。前週のITTFオーストリアオープンで大島祐哉と組んだダブルスで優勝している森薗が冴え渡る。チキータで黄鎮廷のフォアサイドをノータッチで抜き、回り込んで鋭いフォアドライブで得点を重ねて圧倒した。

 2ゲーム目は岸川が森薗のチキータを落ち着いて返球し、レシーブで上田のミドルを攻めて攻撃のリズムを封じてT.T彩たまペアがリードしたが、上田が岸川のチキータをバックドライブで狙い打つなど好プレーを続出して逆転。岡山リベッツが先取点をあげた。

岡山リベッツにとって強力な選手となる林鐘勲

 

 第2マッチは林鐘勲と吉村真晴。「試合当日に韓国から岡山に到着した」という林鐘勲。いきなり迎えた大一番とTリーグ独特の雰囲気にのまれたのか、1、2ゲーム目はあきらかに堅さが見えた。吉村は得意のサービスが効き、勝負所で思い切りのいい両ハンドドライブを決めて2ゲームを奪った。このまま一気に勝負が決まるかと思われたが、3ゲーム目から林鐘勲が開眼する。

 場の雰囲気に慣れたのか、それまで下から上に持ち上げるような自信のないスイングから、力強く水平気味に振り抜くスイングに変わると、そこから怒涛の3ゲーム連取。最終ゲームになると手が付けられない状態になり、6ー6から4連続得点してマッチポイントを奪って10ー6にし、最後は11ー8

で驚異的な逆転を見せた。勝利後のベンチでチームメイトに「(初めての試合で)キンチョウ、キンチョウ」と胸に手を当てながら話したサウスポーだが、世界ランキング22位の林鐘勲が見せ場を作った。

大逆転での勝利に会場のサポーターのボルテージが上がる

 

 第3マッチは李尚洙と黄鎮廷。ともに世界ランキング一桁台の2人の戦いは、ハイレベルかつスリリングな展開になった。序盤は気合い十分の李尚洙が黄鎮廷を押しまくる。大舞台の経験値がある李尚洙は後輩の林鐘勲とは違い、ラブオールから100%の力を発揮。迫力満点の両ハンドドライブにサポーターは大興奮。

 しかし、そのまま終わらせないところが黄鎮廷のすごさ。李尚洙がフォア前に巻き込みサービスをうまく処理できないことを探り当てると、徹底してそこを攻めてラリーのリズムをつかむ。2ゲームを奪い返し、勝負は最終ゲームへ。目の覚めるようなラリー戦で10ー9と先にマッチポイントを奪ったのは李尚洙だったが、黄鎮廷が強気の裏面ドライブでジュースに追いつく。

 「ここで自分が勝てばチームの勝利になるので、なんとしてでも勝ちたかった」と試合後に話した李尚洙。最後までメンタルを崩さなかった李尚洙が僅差を物にした。

エース対決を制した李尚洙と岡山ベンチ

 

 第4マッチは上田と鄭栄植。4ー0で勝利し、勝ち点を4にしたい岡山リベッツと、ここで勝利して相手の勝ち点を3にとどめておきたいT.T彩たま。勝ち点4だと岡山リベッツが2位に浮上し、勝ち点3だとT.T彩たまが2位を維持できるため、両選手の戦いはチームの勝敗が決まっているとは思えないほど白熱した。

 上田は鄭栄植のチキータを狙い打つなど質の高いプレーで1ゲーム目を取ったが、2ゲーム目以降は上田の重いドライブに角度が合ってきた鄭栄植がラリーの主導権を握る。前陣での激しい打ち合いが繰り広げられたが、最後は鄭栄植に軍配があがった。

鄭栄植の勝利でT.T彩たまが2位をキープする

 

 3時間に及ぶ激戦を制した白神宏佑監督は、「みなさんの声援と選手のがんばりで、歴史的なホームでの開幕戦を勝てました」とマイクで喜びを語った。

 李尚洙と林鐘勲の2人は「チームの地元で勝利に貢献できてうれしい。このような素晴らしい雰囲気でプレーすることができてうれしいです」と口を揃えた。

 岡山リベッツは、11月17日の11時30分から岡山武道館で琉球アスティーダと対決する。
 
 

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