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Tリーグ

TOP名古屋が念願の1勝を手にする!

TOP名古屋 32 日本ペイントマレッツ
1勝5敗 3勝3敗
1 森薗美咲 10-12 8-11 馮天薇
鈴木李茄 田代早紀
2 呉穎嵐 12-10 11-7 8-11 11-9 松平志穂
3 サマラ 7-11 4-11 3-11 馮天薇
4 徐孝元 8-11 10-12 11-8 17-15 11-6 李皓晴
5 徐孝元 11-2 李皓晴

 
石川県金沢で行われた日本ペイントマレッツvsTOP名古屋。
会場となったいしかわ総合スポーツセンターは金沢駅から車で約20分。広大な土地にドドンと現れる巨大な体育館には地元遊学館高の選手をはじめ、多くの卓球好きが来場。初の金沢での開催は来場者数959人となった。
オープニングは日本ペイントマレッツのマスコットキャラクターである「マレッツちゃん」がDA PUMPのUSAに合わせて、ダンスを披露。歌詞のUSAを「NPM(日本・ペイント・マレッツ)」に変更しているところはさすがだ。
 

ホームマッチらしく、マスコットが盛り上げる


 
日本ペイントマレッツの応援団が熱い声援を飛ばす中、いよいよ試合がスタート。
1番のダブルスはTOP名古屋の森薗/鈴木が良い展開を作るが、馮天薇/田代は我慢のラリーで盛り返す。馮天薇のチキータは女子の卓球の中では大きな武器だ。要所で馮天薇がレシーブからチキータで攻めて、田代が的確にコースを突いていく。森薗/鈴木もコンビネーションは良かったが、ツッツキやレシーブなど、ほんの少しのミスが響いたか。

馮天薇のチキータは強烈


 
2番シングルスには地元石川県出身の松平対呉穎嵐。序盤から松平がしゃがみ込みサービスを使い、先手を取っていくが、ラリーに持ち込めば呉穎嵐のほうがやや有利。ゲームが進むに連れて、フォアの手数を増やしていく呉穎嵐。松平も離されまいと、攻めの姿勢を崩さずに対峙したが、ギリギリのところで呉穎嵐の安定感が上回った。
 

強打で攻めきった呉穎嵐


 

松平は故郷で勝利を挙げあられず


 
これで試合は1-1。ハーフタイムでは素晴らしいバトンの演技が会場を沸かせ、後半戦がスタート。
3番に登場した馮天薇はさすがのゲーム巧者ぶりを見せる。長いラリーはほとんどなく、お互いに3~4球目でほとんどの点数が決まる。その中でも馮天薇は守りの技術がうまい。ただブロックをするのではなく、的確にサマラのミドルへ送ることで、連続攻撃をふせぎ、ミスを誘う。同じくらい攻めているのに点数があっという間に離れていった。
 

守りも一流、さすがの馮天薇


 
4番は見ごたえのある一戦。李皓晴にゲームをリードされるも、徐孝元が逆転で勝利。
2ゲーム目は8-3から李皓晴に逆転されるなど、波に乗れなかったが、攻撃を入れるなど、リズムを変えていく。無茶打ちをしない李皓晴は、ネットインやイレギュラーのボールにも冷静に対処していき勝利は目の前だったが、第3ゲームから流れが変わる。やや安定感を欠いていた徐孝元の攻撃が次々と決まりだす。李皓晴の攻撃に距離もカットの角度も合ってきており、チャンスを見つけては得意のシュートドライブを打ち込んだ。
6-6からの最終ゲームはまさかの5本連取。TOP名古屋の応援団に向かって高らかにガッツポーズを決めた。

ゲームが進むにつれて対応した徐孝元


 

大逆転勝ちでガッツポーズ


 
これで前回の対戦と同じくVM(ヴィクトリーマッチ)へ突入。
選手は4番に登場したふたり。徐孝元vs李皓晴だ。
しかし、インターバルを入れたとはいえ、流れは完全に徐孝元が握っていた。
カットの安定感、そして攻撃の精度は最高のキレを見せ、李皓晴を完封した。
 
TOP名古屋念願の1勝を手にし、選手たちがコートへ飛び出して、輪を作る。その笑顔は最高だった。

待望の1勝に歓喜爆発


 
「長かった。試合も長かったし、初勝利までも長かった」と新井周監督は胸をなでおろした。
4番、そしてVMで勝利した徐孝元のコメント。
「チームのみんなも喜んでくれて、すごく良い気持ちです。前回、李皓晴選手に負けていたので、もう一度戦いたかった。前回は時差もあり、足が重かったけど、今回はコンディションも調整できた。
2ゲーム連続で取られて自分に『勝てる、できる』と自分を責めました。VMは監督には言われていて、プレッシャーでしたが、それは私を信じてくれていることなので、自信になりました。チームの1勝、そして自分にとってもTリーグの初勝利だったので、良かったです」
この1勝でTOP名古屋の選手にあった、こわばった雰囲気が一気に雪解けた。
次は明日の福井での1戦。「北陸で連勝したい」と新井監督は意気込みを語った。
 

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