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Tリーグ

琉球初の沖縄ホームマッチは痛い敗戦

木下マイスター東京 31 琉球アスティーダ
7勝1敗 2勝6敗
1 松平健太 11-7 11-8 丹羽孝希
田添健汰 有延大夢
2 張本智和 11-9 5-11 11-6 11-9 陳建安
3 松平健太 11-6 9-11 8-11 11-5 9-11 丹羽孝希
4 大島祐哉 12-10 11-4 6-11 11-7 荘智淵
5

 
5連敗からの2連勝、良い流れを経て、琉球アスティーダ初の沖縄ホームマッチを迎える。
待望の試合を見ようと、宜野湾市立体育館には満員御礼の1720人の観客が集結。外の駐車場に車が止められず、試合途中に入場制限がかかるほどだ。沖縄の卓球に対する熱さを感じた。
琉球アスティーダの先鋒は丹羽・有延のダブルス。対する木下マイスター東京は松平健太・田添健汰だ。単複の要となる水谷隼が参加しないことを発表していたが、ダブルスの名手を多数抱える木下に隙はない。
試合は台上での細かい展開で進んでいく。ストップのうまい松平・田添が有延の強打を封じ、甘くなったボールを丹羽のミドルへ打ち込む。決してフルスイングではないが、的確なコース取りが光り、丹羽・有延の足を止めさせた。

巧みな台上で先手をとった松平・田添


 
2番はシングルス絶好調の陳建安が張本智和と対決。良い流れを引き寄せたいところだが、今日の張本は戦術・技術が充実していた。ストップと深いツッツキを同じタイミングで使い分け、相手が持ち上げたところを上から叩く。そこに高速チキータを混ぜられると、相手は待つに待てない。そして張本が磨いているストレートへのカウンタードライブも絶好調で、陳建安のフォアを何度も抜いた。

恐ろしい角度とスピードで入る張本のフォアカウンター


陳建安も戦術を変え、上回転サービスから相手に打たせる展開に持っていき、ゲームを奪ったが、張本も望むところと言わんばかりに3ゲーム目から連続強打で応酬し、見ごたえのあるラリー戦へ突入する。4ゲーム目は競り合いになったが、8-9でフォアサイドに出た陳建安のサービスを冷静に横入れでレシーブエースを奪った張本。そして9-9から張本がサービスエース2本で試合終了。後半でも効くサービス力の高さも張本の強さだろう。これで木下マイスターが2-0とリード。ホームで琉球アスティーダは後がなくなった。

この横入れに陳建安も脱帽


 
ハーフタイムにはスポンサーであるピーチの客室乗務員とのチャレンジマッチを開催。
お客さんの中から挑戦者を選び、CAさんと3点マッチし、勝者にはピーチ特製のピンクラバーのラケットを贈呈される。挑戦した2人とも見事に勝利し、ラケットをゲット! メインコートでボールを打つだけでも緊張するものだが、堂々としたプレーだった。

地元の卓球少年がお姉さんを華麗に撃破!


 

ミスも多かったが、要所でのカウンターは超一流の技だ


4番にはエースの丹羽孝希が登場。一際大きな歓声を浴びる丹羽が魅せる。序盤はやや受け身だったが、中盤から持ち前のカウンターを連発。丹羽の浮いたカットブロックを上から叩かれて、ロビングからの中陣カウンターというスーパープレーはこの日一番の歓声。
フルゲームの大接戦となった一戦は、最後も丹羽がフォアを打ち切り、貴重な1点をもぎ取った。

ホームマッチでの勝利に丹羽のガッツポーズは今まで見たことがないほど大きかった。

丹羽、明日もやってくれそうだ


 
その丹羽のガッツに続けと言わんばかりに4番の荘智淵も気迫全開。ベンチと一体になるような集中したプレーでリードする。嫌な流れを止めたい大島だが、気合いにまかせた強引なフォアはない。あくまで冷静にバック対バックでチャンスを作っていき、打てる時だけフォアを使い、1ゲーム目を逆転勝ちで取ると、連続得点を重ねていった。バックで押されても、下がらずに前陣で勝負した大島。前回も荘智淵に勝利しており、苦手意識はない。
邱建新監督も「今日もいけると思って、ぶつけた」と大島に信頼を寄せた。

バック技術が急成長している大島


 
20度を超える暑さ充満する沖縄での初のホームマッチは琉球アスティーダが敗戦。
敗れた外間監督は、「ダブルスと丹羽でとってというプランだったが、相手も勝つために考えている。明日もあるので、気持ちを切り替えたい。明日も今日みたいにたくさんの人が来てくれたらうれしい。そこでいいプレーをして、勝てるように頑張りたい」
明日も熱い戦いになるだろう。いいプレーはもちろんだが、地元ファンが望むのはやはり勝利の味だ。

明日も満員御礼を期待したい

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