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Tリーグ

ジンマサ コンビで3得点の岡山が延長戦で琉球を下す!

岡山リベッツ 32 琉球アスティーダ
4勝5敗 3勝7敗
1 上田仁 11-6 16-14 丹羽孝希
森薗政崇 有延大夢
2 李尚洙 7-11 11-3 9-11 4-11 荘智淵
3 吉田雅己 4-11 5-11 14-12 6-11 丹羽孝希
4 森薗政崇 9-11 11-8 11-9 11-13 11-8 陳建安
上田仁 11-8 荘智淵

 ホーム・岡山で4試合目となった岡山リベッツ対琉球アスティーダの対戦。上田、森薗の2人で3得点をあげた岡山が、ビクトリーマッチまでもつれた末、琉球に逆転勝利。前回の対戦で敗れていた琉球にリベンジし、4勝目を上げた。

 トップのダブルスは現在最多勝の上田/森薗がストレートで丹羽/有延に勝利。2ゲーム目にマッチポイントを何度も握りながら、追いつかれる展開が続いたが、最後に勝ちきるのが岡山ペアの強さ。昨日に続き、今日も先制点をチームにもたらした。

 2番はコリアンエクスプレス・李尚洙とタイペイトルネード・荘智淵の対戦。お互いに前陣を譲らず、両ハンドの切り裂くようなカウンター合戦に。李尚洙がストップで荘智淵の攻めを封じにかかるも、積極的にチキータを仕掛けた荘智淵が競り合いを制す。ゲームカウント1-1で迎えた3ゲーム目、荘智淵がリードしながら追い上げられる悪い流れをタイムアウトで断ち切り、接戦の末に奪ったのが大きく勝敗を分けたか。最終ゲームは中盤から荘智淵がフルスロットルで振り切った。

荘智淵が李尚洙に打ち勝つ

 ハーフタイムを挟んでの3番は岡山が吉田、琉球が丹羽という同級生対決。この試合も競り合うかと思われたが、1ゲーム目に吉田がサービスミスを繰り返すなどで一方的に丹羽が得点を重ねていく。逆に吉田は丹羽のサービスに苦しみ、2ゲーム目も丹羽が圧倒、一気に王手をかける。3ゲーム目に入り、吉田も調子が出て来たか、ドライブをねじ込み、丹羽の速攻に食らいつき1ゲームを奪い返した。それでも、この試合は丹羽ペースだった。積極的にフォアで動いてドライブ連打を決め、絶妙なサービスで吉田に持ち上げさせてカウンターの展開が最後まではまり、丹羽が同級生対決を制し、琉球が勝利に王手をかけた。

足を使って攻め込んだ丹羽が同級生対決を制す

 ホームで2連敗は避けたい岡山。昨日まで単複2点起用の上田に変えて、この日シングルスで起用されたのは森薗。陳建安との左腕対決は一歩も引かぬ展開となるも、森薗が2-1とゲームをリードした4ゲーム目、中盤から得点を重ねて9-5と引き離す。しかしここからミスが増え、陳建安にこのゲームを奪われる。最終ゲームも、点数が離れず接戦となったが、最後は森薗が10-8からチキータで陳建安の逆をつき、ノータッチを奪ってゲームセット。1球にかけたレシーブエースでビクトリーマッチに持ち込んだ。

気迫満点のプレーを見せた森薗。その雄叫びで会場の雰囲気を変えた


起用に応え、ビクトリーマッチに繋いだ

 迎えたビクトリーマッチ、岡山はこの日、シングルスに起用していなかった上田、琉球は2番で勝利した荘智淵をコール。誰を起用するか迷ったという岡山の白神監督だが、「上田で負けたらしょうがない」とキャプテンにチームの勝敗を託した。これに応えたう上田、今まで負けた事がないという荘智淵に対し、中盤まで競り合ったが、5-6のビハインドから5本連取で突き放し、最後は華々しい打ち合いで荘智淵を退けた。昨日の木下マイスター東京戦では水谷を追い詰めながら逆転負けを喫したが、その鬱憤を晴らす劇的な勝利を上げた。


昨日の鬱憤を晴らす勝利に会場は大きく湧いた

 試合後に「(ビクトリーマッチは)しびれました。ホームで2連敗は避けたかったし、みんなが繋いできてくれた襷をぼくが受け取って良い結果にできて良かった。今日は負けられないと思っていて、それが良いプレッシャーになった。昨日はリードしてマッチポイントも握りながらも負けてしまったので、今日は気を緩めず、得点を取られても冷静にプレーしました。荘智淵とは分が良くて、負けた事がない相手ですけど、1ゲーム勝負では何が起こるかわからない。出し惜しみせずに色々なパターン、サービスを使った結果、相手が戸惑ってくれたのかと思う」と試合を振り返った。

 ホームでの激勝に勝利監督インタビューで白神監督は言葉を詰まらせる場面も。3時間を近い激闘を次のように振り返った。「オーダーはバッチリ当たったんですけど、2番の李尚洙が負けたのが想定外だった。でも森薗も気持ちで押していけるタイプなので、ああいう場面でも信頼していた。森薗は琉球のメンバーに相性が良く、昨日からの流れを変えたい気持ちもあって彼を起用した。リーグも中盤に入って、ここで引き離されるわけにはいかないと思っていました。最後勝ってくれて、本当に目頭が熱くなった。選手には感謝しかないです。うちは簡単には諦めない、簡単には負けない選手が揃っているので、最後まで楽しめると思います。感動を与えられる試合をしていくので、ぜひ感動を味わいに来てほしいですね」(白神監督)

涙ぐむ場面もあった白神監督(左)。「ビクトリーマッチはうちにとって良いルールだと思う」とも語った

 首位の木下マイスターから唯一勝利を奪うなど、何かが起こるリベッツ劇場。チームスピリットに満ちたそのチームカラーは、着実にファンの心を掴み、Tリーグの中で輝きを増している。

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