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Tリーグ

平野が2夜連続の劇的勝利!ついに木下を倒す

T.T彩たま 31 木下マイスター東京
5勝7敗 9勝2敗
1 高木和卓 9-11 11-7 11-8 水谷隼
黄鎮廷 田添健汰
2 アポロニア 12-10 11-9 7-11 11-7 大島祐哉
3 黄鎮廷 13-11 8-11 11-9 9-11 7-11 張本智和
4 平野友樹 11-7 15-13 11-9 水谷隼
5

 
1833人の大観衆が春日部市のウイングハット・春日部に集結。
あいにくの雨模様となったが、開場の3時間前から長蛇の列ができ、今か今かと待ちわびる人であふれた。
T.T彩たまのホームマッチであることはもちろんだが、相手チームの木下マイスター東京からはITTFグランドファイナルで優勝した張本智和も出場する。このビッグマッチを見逃すわけにはいかない。

かなりの人数が入ったウイングハット


 
先鋒のダブルスはストップ対ストップの台上勝負。ダブルストップにフェイントをかけ、水谷は流しを混ぜていき、相手の逆を突く。台上での展開では木下マイスターが有利だったが、その展開を黃鎮廷がチキータで変えていった。
一進一退の試合だったが、このゲームを決めたのは高木和だ。3ゲーム目に神がかり的なカウンターを2本炸裂させ、昨日に引き続き、ダブルスで勝ち星を上げた。高木和と黃鎮廷のダブルスは昨日即席で決めたペアだが、今後はT.T彩たまの主力ペアになるかもしれない。
「雰囲気は緊張しましたが、チームが一丸となって、みんなが応援してくれて、試合をしていくと緊張が取れました。黃鎮廷は世界8位なので、肩を借りるつもりで助かってます。最後のカウンターはクロスに待っていたところにきてくれた。6-6から始まる最終ゲームであの2本は大きかったですね」(高木和)

高木和のカウンターが窮地を救う


 
2番でもT.T彩たまの勢いは止まらない。
アポロニアが渾身の粘りで、大島の強打を守り切る。2ゲーム目のゲームポイントもロビングでつなり、大島の強打ミスを誘った。前陣での早さでは大島が有利だが、アポロニアは見事に自分の領域に大島を引きずり込んだ。ラリーの押し引き、ロングサービス、ブロックでの的確なコース取りなど、多彩な技術でアポロニアが白星をもぎ取った。

Tリーグでうれしい初勝利をあげたアポロニア



T.T彩たまが2-0リード。ついに木下相手にマッチカウントを握った。
しかし、木下側は3番に張本智和を投入。0-2のピンチが何のそのというメンタルで、最初から吠えまくる張本。対する黃鎮廷はこれまで幾度となく苦杯を飲まされている張本に裏面打法でのバック勝負ではなく、打球点がやや落ちてもフォアで動き回る作戦だ。そしてフォアで狙うコースは張本の手薄なフォアミドル。ボディーワークを使った張本のブロックも1本は守れるが、連続で打たれると厳しい。黃鎮廷が対張本で勝負を仕掛けた。
また、今日の黃鎮廷はサービスが良い。コース、長さ、速さともに巧みで、張本のチキータ読みをことごとく外した。フォア前に出すと見せかけて、バックロングに出すなど、読みの鋭さがあった。

打倒張本に燃えた黃鎮廷


しかし、そこで崩れないにも張本の強さであり、世界ランキング5位のゆえん。最終ゲームまで持ち込み、相手のサービスにも対応。黃鎮廷は7-7でのサービスミスが痛かったか。またも張本に敗れた。

見事な立て直し。張本が凱旋勝利!


 
木下は4番に水谷、そしてVMに張本という布陣だろう。追い詰められてもそこから盛り返す力があるのが木下だ。だが、その計算を平野が打ち崩す。
フットワークのスピード、連打の鋭さは完全に「仕上がっていた」平野。
突き刺さるフォアドライブ、サービスでのエースボールに加えて、バックハンドでの攻撃が素晴らしかった。
両者のスーパーラリーの連続に会場が盛り上がる中、平野が昨日に続き、今日も大仕事を成し遂げた。「水谷さんに公式戦で勝ったのは初めてです。でもずっとお世話になっているし、この場にいるのも水谷さんのおかげだと思っています。今日は本当に1球ずつ、探りながらやりました。ガッツポーズは大きくやってましたが、頭は冷静に切り替えられました」

 
ホームマッチで2連勝、そして木下を倒したこの2日間はT.T彩たまにとって最高の日になっただろう。
「全員卓球で勝ちました。ホームで2連勝は、選手からのファンの皆様へのクリスマスプレゼントだと思います」と坂本監督。
これでT.T彩たまは単独2位。木下を追う3チームから抜け出した。

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