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Tリーグ

炎のストッパー、鄭栄植がビクトリーマッチを制して彩たまが2連勝

T.T彩たま 32 琉球アスティーダ
8勝7敗 5勝10敗

 

1 岸川聖也 4-11 2-11 丹羽孝希
黃鎮廷 有延大夢
2 鄭栄植 11-8 11-9 11-6 荘智淵
3 平野友樹 9-11 9-11 11-8 8-11 丹羽孝希
4 黃鎮廷 11-7 11-6 11-3 陳建安
5 鄭栄植 14-12 陳建安

 
北海道レース2日目のT.T彩たま対琉球アスティーダの一戦は、ビクトリーマッチまでもつれる大接戦になり、真冬の苫小牧がTリーガーの白熱した試合にヒートアップした。
昨日、木下マイスター東京から勝利をあげて勢いに乗る彩たま。対する琉球はプレイオフ進出の望みをつなぐためにも負けられない戦いだ。
第1ゲームのダブルスで、彩たまは昨日勝ち星をあげている岸川/黃鎮廷を起用。琉球は昨日とペアを変えて丹羽/有延の同級生ペアをもってきたが、そのオーダーが的中する。
スタートから有延がチキータで得点を重ね、相手のチキータやブロックを一撃のバックドライブで抜き去るなど、手がつけられない状態になり、あっけなく2ゲームを奪った。有延は「1年分の運を使ってしまった」と笑いながら言ったが、まさに一攫千金の大当たりを見せた。

先取点をあげた丹羽(左)/有延のダブルス

 
第2ゲームは、世界選手権大会の韓国国内選考会を終えてかけつけた鄭栄植が、寒さのせいでラバーが飛ばないのかネットミスを連発した荘智淵を圧倒し、彩たまが奪い返した。

安定感抜群の鄭栄植がタイに持ち込む

 
第3ゲームは、チームの中堅として坂本監督から信頼を得ている平野と地元苫小牧出身の丹羽が対決。丹羽の名前がアナウンスされると会場は割れんばかりの拍手と声援がおくられるなど、人気選手の登場に会場が熱気につつまれた。
丹羽は昨日に続き出だしから高い集中力を見せる。豊富な運動量から見せる平野の連続攻撃を丹羽はブロックからのカウンターで狙い打ち、後ろに下げられてもロビングからの逆襲で得点するなど、ダイナミックな打ち合いに観客は大興奮。丹羽も勝負所の得点で拳を固めるなど勝利への執念を感じさせるプレーで平野を振り切った。

苫小牧で負けなしの丹羽


 
あとがなくなった彩たまだったが、世界ランキング8位の実力を持つ黃鎮廷は慌てなかった。サービス、レシーブで陳建安をシャットアウトすると一方的な展開で試合を決めて、勝敗の行方をビクトリーマッチに託した。

黃鎮廷。劣勢でも自分のプレーが出せるのが世界トップの証

 
ビクトリーマッチには鄭栄植と陳建安が登場。第4ゲームでいいところなく敗れていた陳建安だったが、この試合では息を吹き返して鄭栄植と互角の展開を続ける。
序盤は鄭栄植がリードし、中盤から陳建安がリードというシーソーゲームに会場はヒートアップ。9オールから陳建安が得点してマッチポイントを手にしたが、次のラリーで鄭栄植が目の覚めるようなバックブロックで得点してジュースに追いつき、そこからもジュースが続いたが、最後は鄭栄植が攻めきって勝利し、床に倒れ込んだ。敗れたとはいえ、必死のプレーを見せた陳建安に会場から拍手がおくられた。

1本1本立ち上がって鄭栄植を応援する彩たまベンチ

壮絶な戦いに勝ち、床に転がった鄭栄植

 
この勝利で彩たまは勝ち点3を獲得。プレイオフ進出にむけて琉球と岡山を引き離し、追いかけている木下の背中も見えてきた。

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