木下アビエル神奈川 | 2-3 | 日本ペイントマレッツ |
1 | ◯ | 長崎美柚 | 11-1 | 11-8 | 馮天薇 | ||||
木原美悠 | 蘭義 | ||||||||
2 | ◯ | 石川佳純 | 11-4 | 11-7 | 13-11 | 加藤美優 | |||
3 | 浜本由惟 | 9-11 | 7-11 | 8-11 | 李皓晴 | ◯ | |||
4 | 杜凱栞 | 8-11 | 5-11 | 9-11 | 馮天薇 | ◯ | |||
5 | 石川佳純 | 7-11 | 加藤美優 | ◯ |
2300人を超す観客が詰めかけた木下アビエル神奈川と日本ペイントマレッツの一戦。木下アビエルはここまで9連勝で首位を独走中。対する日本ペイントは11連敗中で、なんとしてでも連敗から脱出したいところだが、ここまで木下アビエルには未勝利と苦手な相手だった。
馮天薇がチームに戻り、李皓晴、加藤とベストメンバーで挑んだ日本ペイントだったが、ダブルスと第2試合を落として木下アビエルに王手をかけられる。しかし、第3試合で李皓晴が浜本に勝つと、続く馮天薇も杜凱栞に快勝。2-2にしてビクトリーマッチに持ち込んだ。
ビクトリーマッチでは、第2試合で石川に完敗した加藤が奮起して勝利。崖っぷちからの大逆転勝利で、日本ペイントが11連敗から抜け出した。
第1試合のダブルスは、長崎/木原のヤングペアが、馮天薇とこの試合からチームに参戦した中国超級リーグのメンバーでサウスポーの蘭義を圧倒。木原の巻き込みサービスで日本ペイントペアのレシーブを崩し、長崎がフォアドライブで決めるパターンで先取点をあげた。
木下アビエルにとって欠かすことのできない
長崎(左)/木原のダブルス
蘭義(左)/馮天薇のダブルス。蘭義はTリーグの
雰囲気にのまれたのかまったくいいプレーが見れなかった
第2試合は石川と加藤のエース対決。石川は加藤のしゃがみ込みサービスでスピードのあるチキータレシーブで何本も抜き去るなど攻撃的なプレーで加藤を寄せ付けなかった。「加藤選手は強い選手なので簡単に行かないと思っていたが、この試合では厳しい攻撃ができてストレート勝ちすることができた」と石川。加藤は「自分のできが悪すぎて、何もできなかった」と話した。
威力と精度の上がったプレーで加藤を完封した石川
流れは完全に木下アビエルへ。第3試合の1ゲーム目で浜本が李皓晴を8-3でリードすると、このまま一気に木下アビエルの勝利が決まるかと思えたが、浜本が李皓晴の巻き込みサービスを立て続けてミスをしてこのゲームを落とすと、2ゲーム目以降も李皓晴は巻き込みサービスを出し続け、それを浜本は最後まで手こずり、日本ペイントが1点を奪った。
巻き込みサービスから勝機を見い出した李皓晴
第4試合は杜凱栞と馮天薇の本格シェークドライブ対決になったが、技術とメンタルで上回った馮天薇がストレート勝ちし、勝負の行方はビクトリーマッチに託された。
きっちりと仕事をした馮天薇
ビクトリーマッチはこの試合で2度目の対戦となる石川と加藤。石川有利に見られていたが、1ゲームのみで行われるビクトリーマッチは何が起きるかわからない。第2試合で得意のしゃがみ込みサービスを狙われた加藤はそれを封印。持ち味のラリー志向の安定したプレーではなく、短いサービスから3球目を強打で狙い、ラリー戦に持ち込まずにファーストタッチから威力のある両ハンドドライブを打ち込んだ。
ここまで攻撃的なプレーをした加藤を久しぶりに見た
これにより5-2とリードした加藤は、精神的に優位に立ち、最後まで強気のプレーを続けて石川に勝利。日本ペイントが木下アビエルから初勝利をもぎ取り、11連敗にピリオドを打った。
石川から初勝利をあげた加藤。ビクトリーマッチ勝利の瞬間
加藤がビクトリーマッチで見せた戦い方にはこんな理由があった。それは、ビクトリーマッチに入る前に日本ペイントの試合分析を担当する池袋コーチが第2試合での敗戦を動画で分析し、良いプレーと悪いプレーを数値として出して、三原監督と加藤に伝えていたのだ。
優勝後のインタビューで三原監督は「うちには他にない武器として、試合を分析する専任のコーチがいます。これまでの試合でも同じことをして、試合中に選手に伝えていましたが、今日のビクトリーマッチではそれが顕著に効果として現れました。戦術を実戦することができた加藤のがんばりが大きかったですね」
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