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Tリーグ

ダブルスの連敗脱出!日本ペイント3位を死守

TOP名古屋 13 日本ペイントマレッツ
3勝14敗 5勝12敗
1 鈴木李茄 8-11 5-11 馮天薇
安藤みなみ 蘭曦
2 徐孝元 6-11 13-11 18-16 11-9 加藤美優
3 安藤みなみ 11-8 7-11 14-16 6-11 李皓晴
4 森薗美咲 5-11 4-11 11-6 8-11 馮天薇

 

2月11日、名古屋の武田テバオーシャンアリーナで行われた、女子Tリーグの「トップおとめピンポンズ名古屋vs日本ペイントマレッツ」。

プレーオフ進出は叶わなかった両チームだが、気迫と気迫がぶつかり合った熱戦が繰り広げられた。

第1マッチのダブルスは、TOP名古屋の鈴木李茄/安藤みなみ、日本ペイントの馮天薇/蘭曦が対戦。

昨日の木下アビエル戦で初起用されるも、会場の空気に飲み込まれ力を出し切れなかった日本ペイントペアが今日は安定感のあるプレーを披露。「今日もガチガチでした」という蘭だったが、丁寧につなげて馮の強打をアシストし、ストレートでTOP名古屋ペアを下した。

日本ペイントはダブルスでまさかの10連敗中だったが、今日で連敗を阻止し、「やっぱり一番のダブルスが取れると大きいですね」と三原孝博監督も安堵の表情。

まだまだ本調子とはいかないダブルス巧者のサウスポー・蘭曦が本来の実力を出せるようになれば、さらなる勝ち星が期待できるだろう。

Tリーグ初勝利で笑顔を見せた蘭曦(右端)

 

第2マッチは、今日一番の盛り上がりを見せた加藤美優vs徐孝元。

昨日、木下アビエル戦のヴィクトリーマッチで石川佳純を下した加藤は、その勢いのまま序盤でペースをつかむ。ドライブとスマッシュを使い分けて徐のカットを打ち抜き、第1ゲームを6本で奪うと、第2ゲームも8-3とリードした。

加藤の完勝で終わるかと思われたが、突如牙をむき出したのが徐のバックサービスだ。「サービスの回転が全然わからなくて、あまく入れたら打たれるし、それでパニックになってしまった」という加藤は、徐のサービスをまともに返せずレシーブミスを連発。それにより足が止まると、カット打ちでもスマッシュが打てなくなり、逆に攻撃を仕掛けていった徐に流れは傾いていく。

第3ゲームは一進一退で進み、互いにゲームポイントを奪い合うが、18-16で徐が奪取し、会場のボルテージは最高潮に。第4ゲームもサービスが効いた徐が最後は逃げ切った。

6連敗中だった徐は、11月19日以来の勝利。「3ゲーム目で粘り強く戦えたのが良かったですね。すごく緊張したけど、このゲームを勝たないと絶対に勝てないと思って、自信を持って戦うようにしました。正直コンディションは良くなくて、カットが効かなかったから、攻撃をしっかりやろうとして、それがうまくいきました」(徐)

「以前対戦した時も全然わからなかった」と加藤も脱帽。徐孝元のバックサービス

激戦を制してガッツポーズ

 

第3マッチは、安藤みなみvs李皓晴。第1ゲームこそ安藤の早い連打とスマッシュに苦しんだ李だったが、第2ゲーム以降はうまく戦術を切り替え挽回。バックドライブはゆるいループでタイミングをずらし、台上でもチキータとツッツキを織り交ぜて安藤に的を絞らせない。フォア前にサービスを出して、安藤にフリックレシーブをさせてからの展開も効果的だった。一方の安藤は、昨日の森戦に比べると単調になってしまい、自分から緩急をつけることができず、悔しい敗戦となった。

緩急をつけて安藤の強打を封じた李皓晴。満面のスマイル!

熱戦が続き、ベンチもヒートアップ!

 

第4マッチに登場したのは、12月26日の石川佳純戦以来出場機会がなかった森薗。ホームのファンの前で良いパフォーマンスを見せたいところだが、実力で上回る馮天薇を前に自分のプレーができない。第1、第2ゲームはバック対バックで先にミスが出てしまい完敗だった。

会場全体にも諦めムードが漂いかけたが、第3ゲームで森薗が息を吹き返す。積極的にフォアドライブを振っていき、持ち前の“攻めっ気”のあるプレーにシフトすると、ラリー戦でも上から叩きつけるバックハンドを放ち、見違えるような戦いぶりで再び会場に火をつけた。

最後は安定感に勝る馮に敗れたものの、劣勢の中でも諦めないプレーを見せた森薗の奮闘は素晴らしかった。

貫禄のプレーでシングルス8勝目をあげた馮天薇

森薗は敗れたが果敢な攻めで見せ場を作った

 

今日の勝利で、日本ペイントは悪夢の11連敗からの2連勝。通算成績5勝12敗で、3勝14敗のTOP名古屋に2勝リードし、3位を死守した。

とはいえ、残り4試合は木下アビエル2連戦(2月17・19日)、そしてTOP名古屋との直接対決2連戦(2月20・23日)で、まだまだどう転ぶかわからない。両チームともに「初代最下位」は絶対に避けたいのが本音。上位争いだけでなく、この3、4位争いも、最後の最後まで目が離せない面白い展開になっている。

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