卓球王国 2024年4月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

ラストで吉村が劇的勝利! T.T彩たま、琉球に3−2で勝利

T.T彩たま 32 琉球アスティーダ
9勝10敗 6勝13敗
1 鄭栄植 11-3 15-13 有延大夢
平野友樹 丹羽孝希
2 黄鎮廷 13-15 4-11 11−8 9-11 荘智淵
3 鄭栄植 11-9 5-11 11-6 8-11 11-7 陳建安
吉村真晴 8-11 9-11 11-7 8-11 丹羽孝希
5 吉村真晴 11-9 荘智淵

兵庫県・高砂市総合体育館で行われたT.T彩たま(3位)と琉球アスティーダ(4位)戦。現在、T.T彩たまは首位・木下マイスター東京と勝点12差、2位・岡山リベッツとは勝点10差となっており、残り3試合すべて4−0で勝利して1点でも多く勝点を加算したいところ。
2時間半を超える熱戦を制したのは、プレーオフ進出へ望みをつなげたいT.T彩たまだった。

激戦を制して笑顔のT.T彩たま


第1マッチのダブルス、彩たまは坂本監督が「うちのエースダブルス」と断言する鄭栄植/平野友樹と琉球・有延大夢/丹羽孝希との対戦。その坂本監督の期待に応えるように、彩たまペアは第1ゲームでいきなり10連続ポイントを奪取。このゲームを11−3で取ると、第2ゲームは打って変わってシーソーゲームとなるが、台上の先手争い、ラリーの安定感と総合力の高さで上回った彩たまペアが勝利。彩たまが先取点をあげた。
琉球ペアはエースの丹羽が第2ゲーム11−12の場面で、一回転しながらフォアドライブを決めて会場を沸かせたが一歩及ばず。

坂本監督が「エースダブルス」と信頼を置く鄭栄植/平野友樹


 
第2マッチは彩たま・黄鎮廷vs.琉球・荘智淵。選手ランクS同士の非常に見応えのある試合になった。第1ゲームは黄鎮廷のバックサイドを攻めた荘智淵が出足5−1とリード。黄鎮廷は決め球をフォア側に集めて5−5に追いつくと一進一退の攻防。12−13から13−13に追いついたところでタイムアウトをとった黄鎮廷だったが、このゲームを13−15で落とすと、続くゲームは荘智淵のチキータからの展開がハマり、荘智淵の2−0に。あとがなくなった黄鎮廷は大きいラリーで得点を重ね、第3ゲームを取り返し、第4ゲームも6−2と大きくリードを広げて勝負は最終ゲームかと思われたが、「我慢、我慢を重ねて荘選手らしい粘り強さが出た(外間監督)」という荘智淵が最後まで諦めないプレーで必死にボールを追い、第4ゲーム11−9で勝利した。

粘り強く戦った荘智淵


チキータからの攻撃も効いた



 
プレーオフ進出へ絶対に負けられない彩たまは第3マッチに鄭栄植を起用。個人ランキング3位の右腕に託した。対する琉球は陳建安。昨日の木下マイスター戦で大島祐哉を破って好調の左腕だ。第2マッチに続いて接戦が繰り広げられたこの試合。第1ゲームは粘り強いフォアハンドを叩き込む鄭栄植が取ると、第2ゲームは積極的に攻めて台から出るか出ないかのボールも迷わず振り抜いた陳建安。第3ゲームはカウンターの応酬になるも中盤から先に仕掛けた鄭栄植が奪い、第4ゲームは4−1で鄭栄植がスタートダッシュを決めたが、タイムアウトをとった陳建安がピタッと止まる丁寧なストップや大きくフォアに振られても華麗に飛びつき奪い返す。
6−6からのスタートとなる最終第5ゲーム。6−7と先に1本とられた鄭栄植がカウンターブロックを決めると一気に流れを掴み、11−7で勝利。坂本監督は「最後まで強気で攻めてくれた」とダブルスに続いてシングルスでも勝利した鄭栄植に賛辞を送り、彩たまが2−1と王手をかけた。

長い手足をいかしてボールにくらいつく鄭栄植


試合後には愛らしい笑顔を見せた


接戦の末に敗れた陳建安


この流れで一気に勝負を決めたい彩たまはキャプテン吉村真晴が久々に登場する。対する琉球の4番はシングルス9連勝中のエース丹羽だ。「全日本後の試合で最初は力んでしまった」という吉村はややミスも目立ち、2ゲームを連取される。「3ゲーム目以降は自分らしいプレーも出来た」吉村が第3ゲームを奪い返すが反撃はここまで。「丹羽選手の凡ミスの少なさや素早さの前になかなか攻められなかった(吉村)」と、第4ゲームは終盤まで8−8と接戦を展開したが、タイムアウト明けで丹羽の強烈なフォアハンドドライブを浴びて万事休す。元全日本王者同士の対決は3−1で丹羽が制した。
 

要所を締める丹羽の速攻プレー



ヴィクトリーマッチにもつれ込んだ彩たまvs.琉球。琉球の外間監督が指名した選手は2番で黄鎮廷を下している荘智淵。彩たまの坂本監督が指名したのは4番で敗れたばかりの吉村真晴だった。「荘智淵選手は非常に強い選手だが、これまでの対戦成績も悪くないので自信を持って臨めた」という吉村。調子の良い荘智淵に対しても、武器であるサービスレシーブで先手をとって攻め込んでいく。琉球の外間監督も「荘智淵選手に分があるかと思ったが、4番で負けていた吉村選手が気持ちを切り替えていて良いプレーを連発していた」と敵将もうならせるほどの吉村のプレー。「ホームゲームといっても、埼玉のチームなのでここ(高砂市)はそれほどホーム感もない中で、駆けつけてくれたファンの声援もパワーになった」と会場の後押しを受けて自信を持って攻め続けた吉村が11−9の接戦を制して彩たまが3−2で勝利。プレーオフへまだ可能性を残す勝点3を手にした。

攻め切った吉村が勝利!


両手を突き上げた!


坂本監督と喜び合った


 
この試合の結果、T.T彩たまが勝点4を獲得できなかったため、今日は試合がなかった木下マイスター東京のプレーオフ進出が決定。残る1枠は2位岡山リベッツと3位T.T彩たまとの争いになった。どちらも残りは2試合で勝点差は7。追いかけるT.T彩たまは2試合とも勝利することが絶対条件だ。
坂本監督は「これでまだ首の皮一枚つながりました。残り2試合、一球一球諦めずに戦いますので応援よろしくお願いします!」と力強く応援を呼びかけた。激戦を制してより一層熱がこもったT.T彩たまの残り2戦の戦いぶりに注目だ。
 
 

朝から降り続いた雨も開場前には止んだ


 
 

関連する記事