卓球王国 2024年7月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

本日もベテランが奮起! 琉球がVM制し2連勝

琉球アスティーダ 32 岡山リベッツ
2勝2敗 1勝4敗
1 荘智淵 11-9 7-11 11-8 森薗政崇
陳建安 三部航平
2 朱世赫 11-10 11-8 11-6 吉田雅己
3 木造勇人 8-11 10-11 11-10 7-11 上田仁
4 陳建安 3-11 10-11 8-11 森薗政崇
5 朱世赫 12-10 上田仁

 昨日に続き、徳島・アミノバリューホールで開催された琉球アスティーダのホームゲーム。2試合目の今日は岡山リベッツを迎えての一戦となった。琉球アスティーダは今シーズン初勝利を収めた昨日と同じ海外選手中心のメンバー。前節ではホーム岡山で2連敗を喫した岡山リベッツは林がベンチ入りせず、日本人選手のみでシーズン3勝目に挑んだ。

 ダブルスは両チームとも、ペアを変更。琉球は13年世界選手権優勝の荘智淵/陳建安、岡山は13、14年度全日本優勝の森薗/三部。三部は昨シーズン最終戦、森薗とのダブルスでデビューして以来、Tリーグ2試合目の出場。

 岡山メンバーとの相性もあって今日はダブルスのみ出場の荘智淵が陳建安を引っ張る。第1ゲームは丁寧なプレーで8-9のビハインドから3本連取で琉球ペアが奪取。2ゲーム目は序盤で岡山ペアがリードし、琉球ペアも追い上げたが最後は逃げ切ってゲームカウントは1-1。しかし、第3ゲームは高い集中力で1本目の好ラリーをものにした琉球ペアが岡山ペアを振り切り、昨日に続き琉球がダブルス勝利でスタートを切った。

元世界王者ペアで琉球が先取点

 続く2番、第1ゲーム序盤は吉田が重いループドライブからのパワードライブを打ち込み、朱世赫攻撃も的確にブロック。10-3までリードを広げる。しかしここから流れが一変。朱世赫のカットにミスがなくなり、吉田が変化を読み切れずにミスを重ねていく。10-7まで朱世赫が追い上げたところで岡山ベンチがタイムアウト。しかし朱世赫の得点は続き、なんと8本連取。朱世赫が逆転で第1ゲームを奪った。2ゲーム目以降は完璧な朱世赫ペース。吉田がカットの打ちミスを重ね、徐々に変化になれてきた3ゲーム目はミドル、両サイドを厳しく揺さぶるが朱世赫がカットで粘り勝つ。甘いボールを見逃さずに攻撃も決まり、朱世赫がストレートで吉田を退けた。吉田、第1ゲームの大逆転負けが大きく勝敗を決めたか。

39歳の朱世赫、守備力は健在

 早々に王手をかけた琉球は、昨日Tリーグ初勝利をダブルスであげた木造をシングルスで起用。岡山は今日、シングルスのみの起用の上田。試合は互いにチキータで仕掛け、前陣でカウンターで切り合うスピーディーな展開。第1ゲームは7-8から4本連取、第2ゲームは10-10から狙い澄ましたチキータでレシーブエースを奪い、上田が競り合いながらも2ゲームを奪う。3ゲーム目も上田がリードを広げ、6-1。勝負あったかと思われたが木造が息を吹き返しジワジワと追い上げて3ゲーム目を取り返した。しかし、これで慌てないのが上田。落ち着いて4ゲーム目を抑え、反撃の狼煙をあげた。

主将・上田でまずは1点


敗れた木造だが、随所で鋭いプレーを見せた

 4番の琉球・陳建安、岡山・森薗の左腕対決。この試合は森薗が圧巻の内容だった。以前のようなガッツ全開のプレーではなく、終始落ち着いた雰囲気でプレー。バック対バックでは打ち合いにつきあわず、緩急をつけたブロックで陳建安を崩し、チャンスと見るやフォアドライブを一閃。研ぎすまされたプレーを見せて完勝を収めた。陳建安は台のバウンドにナーバスになる場面もあり、得意の豪打を封じられた。昨シーズン、Tリーグでは陳建安相手に2勝の森薗。得意相手を下し、勝負をビクトリーマッチにつないだ。

貫禄のストレート勝ちでVMへ持ち込んだ

 ビクトリーマッチにコールされたのは初VMとなる朱世赫と、カットマンキラーの上田。スタートから朱世赫が4-1とリードし、上田がタイムアウト。それでも朱世赫がリードを続けて9-6まで引き離す。しかし上田もカット打ちのミスがなくなり、ここから4本連取でマッチポイントを握ったが決めきれずに10-10。次の1本を朱世赫が奪うと、最後はカットに対して、上田がバックへつっついたボールを回り込みフォアドライブ。全盛期を彷彿とさせる、カットからのフォアドライブのゴールデンパターンで熱戦に終止符を打った。

最後は会心の一撃でゲームセット


マッチポイントを握った上田だが、決めきれずに逆転負け

 今日のヒーローは何といっても朱世赫。「2番は1ゲーム目を逆転で取れて、だいぶ楽になった。上田はレシーブがうまくて、パワーもある選手。1ゲームだから何とか勝つことができたけど、5ゲームで試合をしたらわからない。(1ゲームマッチは)中国超級リーグでは1ゲーム7点で試合をしていたので、試合の組み立てはいろいろ考えはあった。初めてのビクトリーマッチで緊張したけど勝てて良かった」(朱世赫)

 昨日に続き、荘智淵と朱世赫、ベテラン2人の活躍で勝利した琉球。昨シーズンはビクトリーマッチで勝利できなかったが、接戦をものにして開幕2連敗から2連勝を飾った。

 「寿命が縮まりました(笑)。試合前のミーティングでビクトリーマッチまでいったら朱さん、とは決めていた。頼れる選手ですから。新しい選手が入ったこともありますけど、今シーズンは戦い方にも幅が出てきたと思います。ミーティングでも選手が思っていることを積極的に口に出したり、ベンチでもみんなでアドバイスを出し合うような雰囲気がある。戦うムードみたいなものが生まれてきている」(琉球・張監督)

雰囲気も良い琉球。これで3位に浮上

 一方、岡山はこれで3連敗。昨シーズンは接戦に強さを見せてプレーオフに進んだが、今シーズンはまだまだ波に乗れない。9月4日の木下マイスター東京戦に続き、ビクトリーマッチでのカットマンに対しての敗戦となり、岡山・白神監督は「カットマンにばっかり」と会場を後にする際に嘆いた。

 連勝を決めた琉球は10月19日に、今シーズン初となる沖縄でのホームゲームで再び岡山と、連敗脱出を期す岡山は9月11日に埼玉でT.T彩たまと対戦する。

関連する記事