卓球王国 2024年7月22日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
Tリーグ

主力の活躍で日本ペイントが日本生命に完勝

 

日本ペイントマレッツ 32 日本生命レッドエルフ
3勝3敗 2勝3敗
1 サウェータブット 11-9 11-10 ユ・モンユ
黄郁雯 陳思羽
2 加藤美優 11-6 11-9 11-7 森さくら
3 サウェータブット 10-11 5-11 11-8 11-10 11-8 早田ひな
4 相馬夢乃 11-10 6-11 7-11 11-10 10-12 陳思羽

 

甲府で行われている女子Tリーグ、17時からスタートした3日目の第2試合は、8月31日以来となる大阪ダービー、日本ペイントマレッツ対日本生命レッドエルフ。

前回の対戦では、日本生命がヴィクトリーマッチの末に勝利をおさめているが、今日はホームの日本ペイントが大声援を力に変えて、ドラマチックなプレーを見せてくれた。

まずトップのダブルスは、日本ペイントのサウェータブット/黄郁雯ペア、日本生命のユ・モンユ/陳思羽という外国選手ペア同士の対戦。

ショートサービスとストップレシーブを使い、徹底的に短いボールで相手の強打を防いだ日本ペイント。相手のストップに対してはフリックで先手を奪い、ラリーになっても無理に強打をせず、コースを突いて日本生命ペアを攻略した。

 台上の巧さが光るサウェータブット(右)/黄郁雯ペア

 

続く2番は、日本ペイントのエース・加藤美優が、日本生命の森さくらと激突。

「今日はバックハンドの調子が良かった」という加藤は、バック対バックで森を圧倒。スピードと安定性で完全に相手を上回っていた。森も回り込んでフォアドライブをするなど、攻めの姿勢を見せるが、好調の加藤を打ち崩すことはできず。最後は華麗に回り込みフォアスマッシュを決めた加藤がストレートで勝利した。

エースの役割をきっちり果たした加藤

 

日本ペイントが2-0とリードしたところで、3番は注目の一戦、サウェータブット対早田ひな。

序盤、横上と横下のサービスで相手のレシーブミスを誘った早田がゲームを奪取。レシーブでもチキータと逆チキータ、ストップを織り交ぜ、サービス・レシーブでの成長を感じせるプレーで早田が2-0とリード。

第3ゲームはフォアの攻めを増やしたサウェータブットが奪い返すも、第4ゲームは早田がサウェータブットのフォアサイドにボールを送り、クロスのボールをバックで待つ戦術で再びリードを広げる。第4ゲームは8-4、9-5と早田が離し、このまま勝利するかと思われたが、ここから流れが急変。若干打ち急いでしまったか、早田は連打の末にミスを連発し、サウェータブットは早田の猛攻に食らいついてミスを誘い、見事逆転に成功。そのまま流れをつかんだサウェータブットが第5ゲームも奪い、相手のエースを逆転で下す、価値ある一勝をあげた。

悔しい逆転負けを喫した早田。「あんまり自分で戦術が思い浮かばないまま試合をしていて、2−0になってもどこで点を取っていたのか冷静に考えられなくて、あんまり頭が働いてなかったし、体もついていかかった」と試合後にコメント

サウェータブットは逆転勝利で笑顔のガッツポーズ

「(早田戦は)すごく緊張したけど、なんとか気持ちを入れて頑張りました!」

 

そしてチームも3-0となって、日本ペイントの勝利が確定。

勝敗は決したものの、4番は高校生カットマンの相馬夢乃が、格上の陳思羽と大接戦を繰り広げる熱い一戦に。

序盤はカット&バックハンドの緩急をつけるスタイルで陳思羽を惑わし、慣れられた中盤はしっかり下がって低いカットで凌ぐオーソドックススタイルで相手のミスを誘った。

試合は攻撃力に勝る陳思羽ペースで進んでいるように見えるが、突き放せそうで放せない相馬のカットプレーにいらだち、要所でドライブミスが出てしまう。

結局最終ゲームに突入し、9-7と相馬がリード。しかし、さすがは経験に勝る陳思羽が最後の最後は無理な攻撃をやめて、きっちりとドライブを入れて逆点し、12-10で辛くも勝利。

敗れたとはいえ、相馬も自分の武器を出し切った素晴らしいプレーだった。

陳思羽は苦しみながらもギリギリの勝利

 

日本ペイントマレッツが3−1で勝利

 

今日の勝利で日本ペイントマレッツは3勝3敗のタイに戻した。

「ダブルスが勝ったことで勢いづいて、エースの加藤、そしてサウェータブットにうまくつなげた。チーム一丸となって頑張れたのが良かったです。(サウェータブットは)相手に攻められても攻め返す力強さを感じました」と三原監督。

一方、日本生命レッドエルフは2勝3敗の負け越しで、村上監督も「ダブルスは5試合やって、1勝4敗。ここが課題ですね」と苦い表情。前回優勝チームは、連覇に向けて苦しい序盤となっている。

関連する記事