トップおとめピンポンズ名古屋にとってのホームゲーム最終戦となった本日の試合。日本生命レッドエルフを迎えて、愛西市親水公園体育館は連日、ほぼ満員の観客で埋まったが、TOP名古屋は地元ファンの期待に応える試合ぶりを見せた。
1番のダブルスは、現在5連勝中の梁夏銀／鈴木李茄。対して日本生命は、田志希／ユ・モンユを起用。ユ・モンユはドイツオープンから強行軍となったが、「ダブルスを取れば勝利に近づく」という村上恭和監督の強い思いによる起用だ。実際に試合はハイレベルなラリーの激戦になり、接戦で1ゲームずつを取って最終の第3ゲームに。TOP名古屋ペアが8−6から8−7となったところで、すぐにタイムアウト。そこから2本連取でマッチポイントを奪い、追い上げられるも、最後は振り切って梁と鈴木は歓喜の抱擁。「言葉は通じないけど卓球が通じるものがある」という梁の言葉通り、両選手ともストレートコースをうまくつかったラリーがバッチリと噛み合っている。これで梁／鈴木ペアは6連勝となった。
連勝街道まっしぐらの梁夏銀／鈴木李茄が先制点
2番はTOP名古屋・森田彩音が日本生命・森さくらに対し、出足からサービスを効かせつつ優位に進める。森には力みも見られてバックハンドのミスが目立った。しかし第2ゲーム4−7のビハインドから、森が猛攻開始。バッククロスのラリーから積極的にフォアでしかけて森のフォアサイドを抜いて逆転。逆に森田にミスが目立ちはじめ、第3ゲームも森が取って2−1とリード。第4ゲームでは森田も再び息を吹き返して6本連取で9−3としたが、最後はバッククロスのラリーに合ってきた森が打ち勝って、勝利の咆哮を上げた。
流れが二転三転した試合。最後は森が勝利を手繰り寄せた
1−1で迎えた第3ゲームには日本生命は中学生の赤江夏星をシングルス初起用。ダブルスでは3戦に出場して全勝をあげている赤江、すでにTリーグの雰囲気にも慣れ、堂々たる試合ぶりを見せた。TOP名古屋・出澤杏佳のバック粒高のナックルボールにも対応し、バック対バックで完全に互角のラリーを演じるばかりか、自ら緩急をつけつつ強打で得点を決めた。ロビングでしのぎきって会場を沸かせるなどし、試合は最終ゲームへ。赤江が10-7でマッチポイントを握って、初勝利なるかと思われたが、そこから出澤が5本連取で劇的勝利。前日の長崎美柚との試合ではゲームオールジュースで惜敗した出澤は、その悔しさを晴らす粘りを見せた。
TOP名古屋が2−1と王手をかけた第4試合は、梁夏銀vs田志希という韓国代表のふたりの対決。勝手を知る両者の対決は、台上の探り合いからの熱いラリー戦に。梁が2ゲーム先取から田が追いつき、最終ゲームに突入。梁は8−6から3本連取されたものの、そこから3本連取。最後の最後まで両者のプライドがぶつかり合う両ハンドドライブの斬り合いが続いた末の、梁の劇的な勝利で、TOP名古屋がホーム最終戦で首位・日本生命から勝ち星を奪った。
単複で勝利をあげた梁夏銀。渾身のプレーだった
「前日、悔しい敗戦をした梁と出澤が、1晩で気持ちを切り替え、改善すべき点を改善して勝ってくれた」と、TOP名古屋・藤川英雄監督は笑顔でコメント。2位の木下アビエル神奈川には勝ち点で5点差であり、残り5試合での2位浮上は十分に可能性がある。インタビューでは、熱心な地元ファンに向けて「ファイナルに出場します」と力強く宣言した。
