木下アビエル神奈川 | 3-2 | 日本ペイントマレッツ |
11勝6敗 | 4勝13敗 |
1 | ◯ | 長崎美柚 | 11-6 | 6-11 | 11-8 | 李皓晴 | |||
木原美悠 | 黄郁雯 | ||||||||
2 | 杜凱栞 | 3-11 | 9-11 | 6-11 | 馮天薇 | ◯ | |||
3 | 木原美悠 | 10-11 | 5-11 | 9-11 | 加藤美優 | ◯ | |||
4 | ◯ | 石川佳純 | 11-9 | 11-6 | 11-9 | 蘇慧音 | |||
5 | ◯ | 石川佳純 | 11-7 | 馮天薇 |
川崎で初開催のTリーグは、昼から行われた男子に続き、女子の木下アビエル神奈川vs日本ペイントマレッツの一戦が17時にスタートした。
現在10勝6敗で単独2位の木下アビエルは、プレーオフ進出に向けて残り5試合は取りこぼしたくない状況。一方の日本ペイントは、8連敗中と長いトンネルから抜け出せていない。しかし、今シーズンは国際大会などで出場がなかった馮天薇が本日からついに復帰。チームを支えてきた加藤との両輪で連敗脱出を目指す一戦となった。
1,163人の観客が詰めかけた
トップのダブルス、木下アビエルは長崎&木原のダブルみゆうが登場。対する日本ペイントは、李皓晴/黄郁雯。積極的なレシーブで相手を振り回し、ゲームの主導権を奪ったのは木下ペア。長崎のチキータ、木原のフォアフリックが強力で、レシーブからの4球目のコンビネーションも抜群。第2ゲームはミスが重なり、日本ペイントペアにゲームを奪われたものの、第3ゲームは木原がフリックではなく、バック表でのツッツキでタイミングを外すなどし、多彩なテクニックで木下ペアが先制した。
競りながらも、常に試合を楽しむ余裕が見られたダブルみゆう
2番は、杜凱栞vs馮天薇の助っ人対決。久しぶりのTリーグで状態はどうかと心配された馮天薇だったが、蓋を開けてみれば文句なしの絶好調。杜凱栞のミドルを突いて、足を止めさせたところで、すかさずフォアサイドを狙う巧みなコース取りで得点を重ねた。全盛期以上かと思わせるほど、ラリー戦でのバックハンドは切れ味鋭く、強烈なスピンに相手も対応ができず。世界8位の貫禄を見せた馮天薇がストレートで勝利をおさめた。
まだまだ成長中のベテラン、馮天薇。強敵を一蹴
杜凱栞はゲームを奪えず、悔しい敗戦
これで勢いづいた日本ペイント。続く加藤も、ここ最近は苦手としている木原を相手に冴えたプレー。木原のサービスには積極的に両ハンドを振っていく攻撃的なレシーブで得点すると、得意のしゃがみ込みサービスで逆に木原のレシーブを崩していった。ラリーでも木原のバック表に対して無理にスピード勝負せず、しっかりと回転をかけたバックハンドで対応し、安定感でも木原を上回った。
「加藤ひとりエースだとどうしても負担も大きいが、馮天薇が入ってくれれば、チームの雰囲気も良くなる。馮のおかげで加藤もいい試合ができた」という三原監督の言葉どおり、落ち着いた戦いぶりで加藤がきっちりと仕事を果たした。
サービス&レシーブが好調だった加藤
終盤でやっと木原らしいプレーが出たものの、追いつけず
これで2-1となり日本ペイントがリード。4番は、木下アビエルは大エースの石川、日本ペイントは蘇慧音が登場。初対戦のカードは、実力に勝る石川がサービスで相手を翻弄する展開に。石川本人も「初対戦だと私のサービスは結構効く」と話すように、蘇慧音が石川のフォアサービスになかなか対応できない。無難にツッツキしたはずのボールがオーバーするなど、レシーブミスも度々見られて、首をかしげることもしばしば。たとえ返球できても、待っているのは石川の強烈な3球目攻撃。第3ゲームこそ競り合いになったが、終始石川ペースで試合は進み、ストレートで勝利をあげた。
レシーブに苦しんだ蘇慧音
これで2-2となり、ビクトリーマッチに突入。注目のカードは石川対馮天薇のエース対決。
世界ランク9位vs8位の対戦にふさわしいハイレベルな打撃戦が繰り広げられたこの一戦。序盤、超高速のラリー戦を制したのは馮天薇で、世界トップの安定性を誇る両ハンドを武器に4-2とリードを奪った。しかし、ここで木下ベンチがタイムアウト。「とにかく先に先に自分が押していけるように意識してプレーしました」という石川が、中盤からはよりアグレッシブなプレーを見せ、強烈なバックドライブなどで逆転。最後まで馮天薇も食らいついたが、石川が逃げ切って勝利した。今シーズン、ビクトリーマッチで2連敗中だった石川は、ベンチに戻って安堵の表情を見せた。
「今シーズン、ビクトリーマッチであまり勝ててなくて、この順位争いが大事な時期にやっと勝てて良かったです。最後は応援が力になりました、ありがとうございます!」とヒロインインタビューで観客にメッセージを送った石川。
激しいラリー戦を制して、胸をなでおろす石川
木下アビエル神奈川は、苦しみながらも競り勝って勝ち点3を獲得。プレーオフ進出に一歩前進した。
日本ペイントマレッツは、連敗脱出できずに9連敗となったが、「馮天薇も帰ってきたし、まだまだ巻き返しはしていこうと、諦めたわけじゃないのでみんなで頑張ろうという話はしています!」と三原監督の表情は明るかった。駒が揃えば超強力なチームなだけに、残り4試合はマレッツらしい、ガッツあふれる戦いぶりを見せてほしい。
勝利した木下アビエル神奈川メンバー&マスコットの「マイスケ&えるる」
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