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Tリーグ

日本ペイントが今季最後の大阪ダービーに勝利。日本生命の1位決定は持ち越し

日本生命レッドエルフ 2-3 日本ペイントマレッツ
13勝7敗 6勝14敗
1 前田美優 11-8 7-11 7-11 李皓晴
赤江夏星 黄郁ウェン
2 皆川優香 4-11 5-11 4-11 馮天薇
3 ユ・モンユ 11-6 11-10 11-7 李皓晴
4 森さくら 11-4 11-5 9-11 11-10 小塩遥菜
5 ユ・モンユ 4-11 馮天薇

 男女全チームとも、レギュラーシーズンは残り2試合となった2年目のTリーグ。大阪・東和薬品ラクタブドームでは、今シーズン最後の大阪ダービーとなる日本生命レッドエルフと日本ペイントマレッツの一戦が行われた。

 すでにプレーオフ進出を決めており、今日勝利するとレギュラーシーズン1位が決定する日本生命は、平野美宇、早田ひなに加え、2人が不在の中でポイントゲッターとして活躍した田志希も欠場。前回2月11日のゲームで連敗を10で止めた日本ペイントは、最下位脱出に向けて負けられない戦い。

 試合前には日本生命・石垣主将が「プレーオフ進出は決めましたが、レギュラーシーズン1位はまだ決めていない。皆さんの前で1位を決められるよう頑張ります」とファンに向けコメント。しかし、ビクトリーマッチまでもつれた末に勝利したのは日本ペイント。レギュラーシーズン1位決定は明日以降に持ち越しとなった。

試合前、抱負を述べる石垣主将

 ダブルスは日本生命がここまで2勝0敗の前田/赤江ペア。対する日本ペイントペアも3勝(2敗)の李皓晴/黄郁ウェン。先手を奪ったのは日本生命ペア。厳しい台上から、ボールに食らいついて1ゲーム目を奪う。2ゲーム目も日本生命ペアが2-0とリード。ここで日本ペイント電池がタイムアウトを取るが、その後は流れが一変。台から出たボールを見逃さずに先手を奪い、ラリーになっても左右の揺さぶりに対して前陣をキープして連打で得点。7-3とタイムアウト後に大きく点差を離して逃げ切ると3ゲーム目も押し切ってトップのダブルスは日本ペイントがものにした。

今シーズン4勝目の日本ペイントペア

 日本生命、2番には皆川がTリーグのシングルス初出場。世界ランキング8位の馮天薇に挑む。試合の序盤でサービスをミスするなど、やや緊張の色も見える皆川に対し、馮天薇はさすがのプレー。皆川が攻めても落ち着いて対処し、さらに強烈なボールを左右、ミドルに打ち分ける。皆川の一歩先を行く読みで、皆川を完全に封じ、馮天薇がストレートで勝利。日本ペイントが1、2番と連取した。

皆川を完封した馮天薇


皆川、世界トップの前になす術なく

 あとがなくなった日本生命、3番はユ・モンユが登場。李皓晴に対し、第1ゲームはラリーでミスを誘い、6点で連取。しかし2ゲーム目は李皓晴がうまくミドルを攻めてユ・モンユのミスを誘って6-1と点差をつける。そこからユ・モンユも無理にミドルをフォアで処理せずにバックで対処して追い上げ、7-6と1点差に詰められたタイミングで日本ペイントがタイムアウト。だがユ・モンユが得点を重ね、10-8とゲームポイント。レシーブミス2本で10-10となったが、最後はサービスエースを奪ってユ・モンユが勝利に王手をかけた。

 第3ゲームはスタートから6-1とリードしたユ・モンユが追い上げられながらも逃げ切って勝利。バック対バックで止める、伸ばす、とテンポを変えながら我慢のプレーを見せたユ・モンユ。クールにチームに1点をもたらした。

間合いを測ったラリーで、クールに勝利

 4番は日本生命が森、日本ペイントは前回の試合で2勝目の小塩。この試合は森の集中力が光った。小塩のフォアにループドライブを集め、打てるボールだけを強打。足もしっかりと動いており、カットの変化も見極めながら得点を重ねる。どっしり構えてカットを崩す森に対し、小塩の横回転カットも有効には働かず。1、2ゲームを森が連取する。3ゲーム目も森が9-5までリードを広げたが、ここからフォアを狙ったドライブのミスが続き、小塩に6本連取を許して、勝利まであと一歩から1ゲームを献上。

 逆転で足も動いてきたか、4ゲーム目は小塩のカットも精度を増し、中盤で7-5と逆転。だが、この試合の森は最後まで崩れなかった。しっかりとボールを選んだカット打ちで逆転、10-9から追いつかれはしたが、次の1本を奪い取って勝利。第1ゲームから雄叫びを封印してプレーしていた森、勝敗の行方をビクトリーマッチにつなぎ、歓喜の絶叫を響かせた。敗れた小塩は勝負所で仕掛けた奇襲がことごとくミスとなり、1本に泣いた。

乱れなかった森


勝利に貯めてきた咆哮が爆発


小塩、3勝目はならず

 ビクトリーマッチはともにシンガポール代表同士の対戦となったが、日本生命の流れにも飲まれず、馮天薇がユ・モンユを撃破。台上、ラリー、コース取り、すべてにおいて精度の高さを見せつけてポイントを連取、11-4で勝利。2月8日の試合が今シーズンの初出場となった馮天薇、遅れてきた大エースの2得点の活躍で日本ペイントが今季最後の大阪ダービーを制した。

 日本生命から今季2勝目(5敗)をあげた日本ペイント・三原監督。プレーオフを逃した中でも、声援を送ったファンに向けての感謝、そして来シーズンへの課題を次のように語った。「みんな諦めてなくて、選手全員がしっかり準備をしてくれている。ファンの応援は涙が出るくらいうれしい。来シーズンは、ダブルスの強化をいかにできるか。エースの選手のスケジューリング、どうやってジュニアの育成をしていくかが来シーズンの課題。そこに関してはニッセイさんはしっかりできているし、マレッツに足りない部分かなと思います」

勝ち点を26とした日本ペイント。3位のTOP名古屋に1差に迫った

 レギュラーシーズン1位決定は明日に持ち越しとなった日本生命・村上総監督は「今日はダブルス勝負だった」とコメント。

 「ダブルスを取ったほうが勝てるオーダーだった。皆川には悪いけど、相手のエースと当たったのでオーダー的には良かった。でも出場できて喜んでいたので、頑張ってくれればと。ビクトリーマッチまで行ったけど、ダブルスを落とした時点で不利でしたね。(最終戦の)21戦目に1位決定を持ち越した、これは応援しに来てくれる方々には良かったんじゃないですか。本当の最後、フルメンバーではないですけど、何とか勝ちたいと思います」

 昨シーズンは「メンバーをやりくりしながら、予定どおりの2位通過」からプレーオフで初代女王を勝ち取った日本生命。今シーズンはレギュラーシーズン1位からの連覇を目指し、明日はトップおとめピンポンズ名古屋をホームに迎えての最終戦に挑む。

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